令和3年3月5日

新型コロナウイルス感染症に関する菅内閣総理大臣記者会見

(緊急事態宣言延長に関する会見)

【菅総理冒頭発言】

 先ほど新型コロナ対策本部を開催し、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県において緊急事態宣言を2週間延長し、3月21日までにすることを決定いたしました。
 宣言を発出した1月以降、大きな効果が目に見えて現れています。全国の新規感染者数は8割以上の減少となりました。東京では、解除の目安としていた1日当たり500人を下回る日が続き、本日は301人となりました。入院者や重症者の数も継続して少なくなっています。これは、諸外国のような厳しい宣言を行わずとも、ひとえに皆様方の踏ん張りと、心を一つにして懸命に取り組んでいただいた結果であります。医療、介護などの関係者の皆さんの御尽力、国民の皆さんの御協力に心より感謝申し上げます。
 宣言の解除については、新規感染者数、病床の利用率などを目安とし、判断を行う、こう申し上げてきました。1都3県についてはほとんどの指標が当初目指していた基準を満たしています。しかしながら、病床の使用率が高い地域があるなど、依然厳しさが見られます。また、感染者数は減少傾向にあるものの、そのスピードは鈍化しています。人出が増加している地域もあり、いわゆるリバウンドの懸念も高まっています。2週間は、感染拡大を抑え込むと同時に、状況を更に慎重に見極めるために必要な期間であります。こうした点を冷静に、そして総合的に考慮し、内閣総理大臣として延長の判断をいたしました。当初お約束した3月7日までに宣言解除することができなかったことは大変申し訳ない思いであり、心よりおわびを申し上げます。
 飲食店の時間短縮、不要不急の外出の自粛やテレワーク、こうした効果的な取組を地方自治体と連携し、徹底してまいります。さらに、高齢者施設などにおける感染を早期に発見し、クラスターの発生を防ぐため、3月末までに約3万の施設で検査を行います。また、市中感染を探知するため、無症状者のモニタリング検査を、現在、栃木県で開始しており、今後、大都市でも規模を拡大して実施していきます。
 特にリスクの高いのはマスクを外した会話が多くなる飲食であり、そこが対策の中心となることも分かってきました。春は卒業式、入学式、歓送迎会など人生の節目であるとともに、お花見など人が集まる機会も多くあります。昨年末には忘年会の影響で感染が拡大したと、こうした指摘もあります。今回、そうした機会であっても、大人数の会食はお控えいただきますよう、お願いします。そして、解除後の地域であっても、会食はできるだけ御家族、または4人以内でお願いいたします。こうした対策について、今後、テレビコマーシャルのほかに、SNSや動画も活用し、若い世代にも届くよう、広報に力を入れていきます。飲食店の感染防止策の遵守については、自治体と協力して見回りを強化するなど、実効性を更に高めてまいります。経営者の方からは事業を継続することが難しい、深刻な声も伺っております。政府としてもできるだけの支援を続けていきます。
 病床の確保など各省庁や自治体との調整が必要な課題については、私が先頭に立って、縦割りを乗り越えて、解決していきます。
 先月、医療関係者へのワクチン接種が始まりました。私も早速、視察させていただき、安心して仕事ができるよう、早く多くの人に受けてほしい、こうした現場の声を伺いました。医療の最前線を守るという観点からも、ワクチンが希望の光になる、そうしたことを改めて実感いたしました。医療関係者の接種予定者は、当初の見込みでは370万人でありましたけれども、更に100万人を超える希望者の方が寄せられております。また、4月12日から全国の高齢者の皆さんへの接種をスタートし、4月末からは規模を大幅に拡大して、感染対策の切り札として、希望する国民の皆さんに一日も早くお届けいたしたいと思います。これまで約3万7,000人に接種を行っていますが、副反応に関する情報を含め、引き続き分かりやすい情報発信を行うとともに、自治体と連携して、準備を進めてまいります。
 変異株については、地域的な広がりは確認されていないものの、昨年末以来、19の都府県で確認されており、引き続き十分な警戒が必要です。今月から変異株が短時間で検出できる新たな方法の検査を全ての都道府県で実施し、国内の監視体制を強化いたします。同時に、水際の新たな措置として、全ての帰国者、再入国者に対し、14日間待機中は、携帯電話の位置情報に加え、毎日、ビデオ電話で状況を確認する体制を整えます。
 新型コロナが長引く中で、事業や生活へ深刻な影響が及んでいます。飲食や宿泊、地域の公共交通機関など、特に厳しい状況が続く業界もあります。生活資金、雇用調整助成金など、できる限りの支援を継続します。また、資金繰りについては十分な資金と、規模や状況に応じた様々な支援策を用意しており、事業者の個別の相談を伺って、丁寧に対応してまいります。
 また、昨年以来、特に女性の自殺者が増えていることに大変心を痛めており、対策が急務です。女性の非正規やひとり親の方々を始め、就業に困難を抱えている方々について、ITスキルなどの訓練の機会を大幅に広げ、できる限り希望に沿った就業がかなうよう、寄り添った支援を行ってまいります。
 また、外出自粛が続く中で、望まない孤独や孤立で不安を抱えている方々がたくさんおります。先日、そうした方々を支援するボランティアの代表の皆さんから、私自身、切実な声を伺い、社会全体で取り組む必要性を強く感じました。子供の見守りや自殺防止の相談を行う団体にも積極的に支援していきたい、このように思います。こうした深刻な問題に対し、今月中に関係閣僚による会議を開催し、緊急の支援策を取りまとめます。
 世界でも、コロナウイルスとの闘いは続いております。しかしながら、欧米に比べて我が国の感染者数は格段に少なく、失業者は諸外国の中でも極めて低い水準にあります。これは、この1年、国民の皆さんや事業者の方々が、真剣に、そして懸命に取り組んでいただいた結果であります。
 今、総理大臣の私がなすべきことは、これまでの成果を確実なものにし、リバウンドを阻止し、宣言を解除できるようにすることです。緊張感が緩んできている、こうした意見もある一方で、もう限界だ、こうした声があることも承知しております。こうした様々な声にも思いを巡らせながら、私自身、もう一段対策を徹底する決断をいたしました。
 国民の皆様には、大変申し訳ない思いですが、皆さんの命と暮らしを守るために、そして、安心とにぎわいのある生活を取り戻すために、一層の御協力を心からお願い申し上げます。
 以上であります。

 

 

【質疑応答】

 

(内閣広報官)
 それでは、これから皆様より御質問を頂きます。
 尾身会長におかれましては、所定の位置にお進みください。御質問の内容によりまして、尾身会長にも御説明を頂きます。
 指名を受けられました方は、お近くのスタンドマイクにお進みいただきまして、所属とお名前を明らかにしていただいた上で、1問ずつ御質問をお願いいたします。
 御質問が終わりましたら、自席までお戻りください。なお、自席からの追加の御質問はお控えくださいますよう、お願い申し上げます。
 それでは、まず、幹事社2社から御質問を頂きます。
 朝日新聞、星野さん、どうぞ。

 

(記者)
 朝日新聞の星野です。よろしくお願いします。
 今回、緊急事態宣言が再延長となりまして、先ほど国民へのおわびの言葉もありましたけれども、再延長の原因はどこにあるとお考えでしょうか。例えば人出を抑えるための国民への首相のメッセージは十分だったと思いますでしょうか。
 あと、先ほど感染防止策も打ち出されましたけれども、新規感染者数が下げ止まる中で、2週間で十分数値を落として、宣言を解除し、その後のリバウンドも抑止するという科学的根拠はありますでしょうか。
 お願いします。

 

(菅総理)
 まず、緊急事態宣言後の対策の効果によって、多くの指標は、当初目的としましたステージ3の目標は、東京都を中心とする首都圏でもほぼ満たしております。ただ、病床の状況など、一部の指標においてぎりぎりのところがあります。正にそうした中で慎重に見極める必要がある。このところ、人出も多くなっています。リバウンドを防ぐために、そうしたことのために、まずは、ここは2週間延長をさせていただこうと思いました。3月7日まで、お約束のとおり解除できなかったことについては率直におわびしたい、このように思います。
 また、私の発信についてであります。飲食の短縮に加えて、不要不急の外出の自粛、こうしたことを、このところ、数多くのぶら下がりの回数があると思います。そういうぶら下がり会見の中で訴えをしてきました。結果については、それは国民の皆さんだというふうに思っています。今回は、これからテレビコマーシャルだとか、SNS、こうしたことを通じて、また、動画ですよね。できる限り、若者を始めとする幅広い層に対して宣伝を、コマーシャルを、従来より倍増ぐらい、そういう思いで徹底のお願いをさせていただきたい、こういうふうに思っています。
 いずれにしろ、基本的対処方針で求められている、そうしたことをしっかりとクリアし、そして、次に感染者数が多くなっても、しっかりと病床も確保できる、そういう体制をこの2週間の間にしっかりつくっていきたい、このように思います。

 

(内閣広報官)
 それでは続きまして、テレビ朝日の吉野さん、お願いいたします。

 

(記者)
 テレビ朝日の吉野でございます。
 私からは、これからのことについてお伺いしたいと思います。総理、今、状況を見極める2週間というふうにおっしゃいました。では、どうなればこの2週間で緊急事態宣言を解除できるのか。新たなゴールの基準というものをお聞かせください。
 それと、今、ちょっとありましたけれども、今回、延長の主な理由が病床ということであるならば、さらなる病床対策ということはお考えになりませんでしょうか。
 それと、あともう一つ、2週間とおっしゃいましたけれども、2週間もすればもう春休みになります。再延長の可能性というのはあるのでしょうか。

 

(菅総理)
 まず、目標として、例えば東京ですとステージ3の段階というのは新規感染者数50人、病床占有率50パーセントです。ここは新規の方が大幅に減少しています。今日は301人ですが。病床ですけれども、東京都はクリアしていますけれども、ちょうど50パーセントぎりぎりのところも、今、ひっ迫しているところもありますので、そうしたところにおいてやはり病床を全部50パーセント以下にするわけでありますから、そうした努力はしっかりと行って、そうした体制をつくることがまずはこの2週間の中でやるべきことだというふうに思います。
 そして、いずれにしろ、この感染対策、マスクを外した会話がやはりどうしても多くなり、感染リスクが高いのは飲食であります。さらに卒業式、入学式、歓送迎会、お花見など、こうしたことも控えております。こうした中において、感染対策を徹底してもらい、そうしたことを行っていきたいと思いますし、先ほど申し上げましたけれども、3万の高齢者施設で3月中に全部で検査を行いたい。さらに、街頭でもモニタリング検査、無症状の方がおりますから、そうしたことをしっかり行って、感染拡大というものを防止していきたい。そして、病床も一定以上の余裕のある数字になるまで落としていきたい。そして、次にもし、そうしたコロナ、更に感染が拡大するようなときにはしっかりと備える体制をこの2週間の間につくっていきたい、このように思います。
 尾身会長からもよろしゅうございますか。

 

(尾身会長)
 では、私の方から2点だけ申し上げたいと思いますけれども、今回は総理もおっしゃっていたように、実は前から解除の条件として示していたものは、実はクリアをしているのですよね。感染の数、これはもうステージ2まで行っているし、医療体制の負荷というものも実は、辛くもですね、ちょっと千葉なんかは一応ありましたけれども、もうステージ3になっていて、ステージ4は脱却している。恐らく多くの人々は、なぜ大阪や中京は1週間前に解除したのに、何で今回は一応はクリアしているのに解除ではなくて2週間ほどの延長という、ここは私は非常に重要だと思います。
 私はどう考えているかというと、それは先ほどの解除の条件ということとも関係しますけれども、一つ、今回は医療の負荷という意味では、辛くもステージ3に行ったけれども、まだまだ安定的な改善の方向に行っていないので、ここについてはもう少し頑張る必要。それは2つあって、感染を下げるという方向もあるし、医療の体制を、ベッド数をもっと簡単に言えば増やすという両方のことが求められると思います。
 もう一つの、実はなぜ首都圏は2週間の延長ということをやったというのは、実はこれは一言で言えば、これは首都圏の特殊性というものが。これはもう前から私どもは申し上げていましたけれども、今回全国の感染はやっぱり首都圏が非常に重要な、いろんな意味で感染の数も違いますし。首都圏の特殊性というのはどういうことかというと、いろいろございますね。地理的な、これはもう私が申し上げている、人口は多いし、人がということと同時に、やっぱり歓楽街やらいろいろなコミュニティーが他の地域より多いということ。それから、人々の匿名性というものがありますね。それから、大きな自治体でありますから、都と23区のいわゆる保健所の設置の人の関係、いろいろ努力はもちろん関係者はされていますけれども、所帯が多いのですから、なかなか広域の連携が難しいというようなことで、実は他の地域に比べて、いわゆる皆さん家庭内感染とか職場内感染とか、そういう話が出ますけれども、実はあれは感染の伝播(でんぱ)の一番の帰結を見ているので、実はクラスターの感染には必ず原因があるのですね。多くの場合は原因の方のクラスターの元が分かることが多いですけれども、この首都圏においては他の地域に比べて、感染、クラスターの源が分からないことが多い。このことが実は今回の首都圏の課題の最も重要な問題の一つです。
 したがって、先ほどの基準の方のことで言えば、私は大きく分ければ2つあると思います。一つは国が設定した基準ですよね。しっかりと医療の方の体制も負荷がある程度取れるということと、感染の方は今はかなり低くなっていますけれども、しっかりとこれがまたステージ3の方に戻ってきたりなったら困りますから、しっかりステージ2の方に近い方に行くという、それは今まで何回もいろいろなところで語られたことだと思うので。
 もう一つの、私は、今回は2週間延長した意味ですよね。この2週間に何をすべきか、ということが大事で、それが今言ったように感染状況、それから、医療状況をしっかりさせると同時に、もう一つは、実は首都圏の固有の問題があって、これは感染のクラスターの源が、必ずしもどこにあるか分からないというのが、これが実態です。したがって、リバウンドを起こす可能性というのが他の地域よりも高いということで、私は解除、この2週間の間に是非、当該の知事さんたちにお願いしたいのは、解除すれば必ず一定程度の感染の増加というのは見られますから、そうしたものが本当のリバウンドにならないような防止策のしっかりした体制の強化というものをこの2週間の間にしっかりやって、それが私は2週間か3週間というのは1週間の違いはあるけれども、むしろ大事なことは2週か3週か1週かじゃなくて、この延長したこの期間にリバウンドを防ぐための防止策というものを、これは検査のこともあるし、医療体制の強化もあるし、あるいはいわゆる皆さんがおっしゃった「まん防」をいつ使うかというしっかりしたことを考えて、そういうようなことが今この2週間の間に私は求められて、そのことができるかどうかというのが解除をやるときに一つ重要な、当然考慮すべき点になってくると思います。

 

(内閣広報官)
 それでは、幹事社以外の方から御質問を頂きたいと思います。御質問を希望される方は挙手をお願いいたします。こちらで指名させていただきますので、マイクにお進みください。なお、なるべく多くの方に御質問いただくためにも、質問は1問ずつということで御協力をお願いします。
 それでは、読売の黒見さん、お願いします。

 

(記者)
 総理、読売新聞の黒見です。
 GoToトラベルについてお伺いいたします。今日の参院予算委員会でも、総理はたとえ21日で全面解除になったとしても直ちに再開するのは難しいという趣旨のことをおっしゃっていらっしゃいましたけれども、このGoToトラベルの再開の時期の見通しについてはどのように考えていらっしゃいますでしょうか。

 

(菅総理)
 この緊急事態の宣言が延長になり、GoToトラベルについても当面の再開は難しいと考えています。今後、各地域の感染状況、こうしたものを踏まえて、専門家の御意見を伺いながら判断していきたいというふうに思います。いずれにしろ、各地域での感染状況、これは様々ですから、そういう中でいろんな地方から要請も来ています。県内だとか、いろいろな要請も来ていますけれども、最終的には専門家の皆さんの御意見を伺いながら、そこは判断していきたい。当面は、再開は難しいと考えています。

 

(内閣広報官)
 それでは、次は共同通信の吉浦さん、お願いいたします。吉浦さん。

(記者)
 共同通信の吉浦です。よろしくお願いします。
 東京五輪・パラリンピックへの海外の観客の受入れについてお聞きします。おととい開かれた政府、大会組織委員会、IOC(国際オリンピック委員会)など五者協議で、海外からの観客について3月中に判断するということで合意しました。いわゆる水際対策については、政府が最終的に判断することになると思いますが、新型コロナウイルスの変異株が確認され、国内外の感染状況は今なお厳しい中で、安全・安心の五輪に向けて海外の観客を受け入れることは可能とお考えでしょうか。
 あわせて、昨年12月にオリパラのコロナ対策調整会議がまとめた中間整理で、外国人観客について、入国前後の検査などを条件に2週間の隔離免除、また公共交通機関の利用を認めるという制度設計となっています。こうした対応に国民の理解を得られるとお考えでしょうか。よろしくお願いします。

 

(菅総理)
 まず、今、最終的に発言されました外国人を入れる場合の対応策、それについては、まだ入れる入れないという判断がこれからでありますので、そこについては私が申し上げることは控えたいと思います。いずれにしろ海外の観客については、先日バッハIOC会長とのいわゆるこの五者会談、この中においては3月中に判断する、このことで合意を得ております。引き続き、これは変異株の影響だとか、あるいは国内外における感染状況、こうしたものを踏まえて、主催者であるIOC、IPC(国際パラリンピック委員会)、東京都、組織委員会の中で検討してまいりたいというふうに思います。
 また、五者会議の中で丸川大臣が、変異株の影響などが予測できない中、現時点で今年の夏の入国の可否を見通すことは困難である、慎重な判断が必要である、こうしたことを発言したということは、私は承知しています。

 

(内閣広報官)
 それでは、フリーランスの江川さん。

 

(記者)
 フリーランスの江川紹子と申します。よろしくお願いします。
 若手の官僚の退職が増えているという話を聞きます。また、今、官僚の皆さんはものすごい激務でブラック霞が関(かすみがせき)というような言葉も出ています。特にコロナ対策では残業も増えているという話が報じられています。一方で、驚くような接待を受けている官僚もいらっしゃいます。
 安倍内閣のときに菅官房長官が尽力されて、官邸が官僚をがっちり支配する仕組みをつくられました。しかし、それによって異論を唱える官僚が更迭されて、いろんなところに目詰まりが起き、コロナ対策でもいろんな問題があるんじゃないかという指摘もあります。
 官邸と官僚の関係について、何か反省あるいは見直しが必要と思われるところはないのか。そして、この問題について第三者を入れて在り方の検討をするというようなお考えはないのかということについて、お聞かせいただければありがたいと思います。

 

(菅総理)
 若手官僚の方が途中で退職される、このことは極めて残念なことでありますけれども、逆に、一旦退職して、また元の省に帰ってくる人もいるということも事実です。いずれにしろ労働力の流動化、そうしたことがやはり大事かなというふうに思います。ただ、いずれにしろ、その志半ばで諦めていくんじゃなくて、次のステップということを考えて人事異動ができるように、若い人はそうした方がいいのかなというふうに思っています。
 それと、一方、接待で今いろんな問題が出ております。これは正にこの官僚の倫理法ですか。そうしたことはやはりしっかりと守ってもらうというのは、これは当然のことでありまして、そういう中で、もう一度、私自身が関係大臣、またそれぞれ各省庁に倫理監督官というのがおりますから、そうした中で徹底をするようにこれはしていきたいというふうに思います。
 そういう中で、官僚と政治の在り方について第三者委員会という話がありますけれども、私はまだそこは様子を見ていたいというふうに思います。
 それと、コロナの中でほとんど、厚生官僚だけでなくて、多くの官僚の人が休みなく去年から、もう1年以上たつわけですけれども、そうした大変な努力をしている、そうしたことには私は心から敬意を表したい、このように思います。

 

(内閣広報官)
 それでは、また前列で、日経新聞の重田さん、どうぞ。

 

(記者)
 日本経済新聞の重田です。
 総理は東京五輪の大会の開催に意欲を示されてきたと思います。7月に開催する大会を安心・安全の下に開催するには、新たな宣言の期間である21日以降も長期にわたって感染状況をコントロールする必要が出てまいります。コロナをどう抑え込んでいく戦略を描かれているのでしょうか。

 

(菅総理)
 まず、オリンピックと関係なく、一日も早いコロナ感染を収束させる、これが私の役割だというふうに思います。今回の延長で何としてもこの感染拡大を抑え込んでいきたいというふうに思いますし、宣言解除後も感染の再拡大を防ぐために専門家の御意見を伺いながら対策をしっかり行っていきたいというふうに思います。
 なお、今後、感染対策の決め手となるのがワクチンだということを私は申し上げています。4月12日から高齢者への接種を開始し、6月末まで65歳以上の高齢者全員に2回接種するワクチンの配送を行いたいと思っています。一日も早く全ての国民の皆さんに安全で有効なワクチンをお届けしたい。そのために全力で取り組んでいきたいと、このように思います。
 また、海外から観客をということであります。そうしたことについて、3月中にこれは決定をするということになっていますので、そうした状況を見ながら水際対策というのはまた変わってくるだろうと思います。今も万全の対策で行っていますけれども、いざ観客を入れるとなるとこれは大変な状況になりますから、人員も含めて、そうした中で今月中に方向性を決めたい、こういうふうに思います。

 

(内閣広報官)
 それでは、前列奥の西日本新聞、湯之前(ゆのまえ)さん、どうぞ。

 

(記者)
 西日本新聞の湯之前といいます。
 緊急事態宣言について、先ほどの対策本部で総理はこれまでの対策を一層徹底するというふうにおっしゃいました。1月以来、感染状況の改善に大きな成果を上げたのは事実だと思いますけれども、一方で、その改善の状況が鈍化していて、変異株の出現も考えると、今後2週間で首都圏を解除するためには、さらにギアを一段上げた対策が必要という指摘もあります。
 さらなる封じ込めに向けて国民の行動変容を促すような新たな対策、これを打ち出すお考えはありますでしょうか。また、打ち出さないのであれば、その理由についても教えてください。

 

(菅総理)
 行動変容につきましては、今日までの学習の中で、やはり飲食に的を絞って行ったことが、ステージ3のこの新規感染者数というのが大幅に減少してきているということも、ここは事実だというふうに思います。それと同時に、新たに力を入れてやりたいということは、高齢者施設、ここについて国の責任で今月中に3万か所において検査を行っていきたい。そして、定期的にも徹底してこのクラスターの多い部分を潰していきたい。それとまた、若者の多い、いわゆるこの繁華街というところですか。これは尾身会長からも強い要望もありまして、モニタリング、検査ですか、そうしたことを新たに行っていきたい。このように思っています。
 そして、今、行っています、このマスク、手洗い、3密、基本的なことをしっかりやると。そうしたことによって、この2週間の中で感染者数は今の状況の中で更に防止をして、そして病床。病床の使用率が今は50パーセント、ぎりぎりのところが今1か所あるわけですけれども、そうしたところを更に大幅に改善する。2週間でそうしたことをしっかりやっていきたい、このように思います。

 

(内閣広報官)
 それでは、そちら、ドワンゴの七尾さん、お願いいたします。

 

(記者)
 連日お疲れさまです。ドワンゴ、ニコニコの七尾です。よろしくお願いします。
 コロナの感染に一番近いところで状況を把握して、現場レベルで施策を打つことができるのは、これ自治体だと思います。今後の2週間で自治体でできることは、これ山ほどあると思うのですけれども、報道されるのは国民生活とはかけ離れた政局中心で、大阪や北海道など以外で自治体の独自の取組が報道されることも、責任が問われることも、ほとんどありません。
 WHO(世界保健機関)や各国の対応を評価する独立調査委員会というものがあるのですが、このように、自治体や政府の取組や対策の効果を監視、分析し、一定のリアルタイム性を確保しつつ、国民に報告する仕組みも今後必要ではないでしょうか。
 例えばですけれども、こういうときこそ社会科学のトップであります日本学術会議に諮問などし、フェアに分析、提言してもらうのはいかがでしょうか。
 よろしくお願いします。

 

(菅総理)
 まず、御指摘のように、病床の確保や検査体制の整備、そして感染対策の実施など、新型コロナ対策を進めていくに当たって、地域の状況を最も把握している自治体の役割は極めて重要だと思っています。国としても、自治体と緊密に連携しつつ、自治体の取組を強力に支援をしていくことが重要だというふうに思っています。
 例えば、昨年の12月暮れに東京都のベッド数が緊迫していた。国と都と、そして区、これが連携して、国の新しい病院の支援策、そうしたことによって2,000床を約1か月で増やすことができていますから、そうしたことがやはりものすごく大事だというふうに思います。
 それで、一方で感染状況や様々な対策を評価し、助言をするという専門家による組織として、厚生労働省のコロナ対策の分科会や、また専門家会議というのが現在はあります。今後こうした会議で、地方自治体の取組も含めて、我が国のコロナ対策、成功しているところは横展開するなどいろいろなことを取り上げていきながら、政府と自治体、連携して行っていきたいというふうに思っています。コロナ対策として、財政的支援は、これは全て国が今、行っております。連携をしてやることが大事だと思います。
 先生もよろしいですか。

 

(尾身会長)
 今の御質問、実は私どもも、私どものレベルでですけれども、いろいろ自治体の現場で働いている人といろいろな情報交換、意見交換をしていますけれども、実は今、御質問にあったように、自治体の中では極めて優れた取組をやっているところが多いのですよね。その場合には、大体これは例外は多分ないと思いますけれども、そこにはしっかりとした、それぞれの部署にリーダーがおられるのですよね。これは何となくみんながただ集まって会議というよりも、やはり積極的に分析をしたり、積極的に知事さんを動かしたり、そういうところは間違いなくいろいろなところ、進み具合がいいのです。そういうところはやはり感染の抑えというのを大体成功しているし、それは高齢者施設の感染への対応なんかもそうで、そういう意味では、今おっしゃるようにいろいろな連携をするということと、また、それを評価して、他の自治体に参考になっていくということは定期的にやっていけばいいというふうに私も思っているし、これからも、今もやっていますけれども、それは強化していったらいいと思います。

 

(内閣広報官)
 それでは、産経新聞の杉本さん。

 

(記者)
 産経新聞の杉本と申します。よろしくお願いします。
 先ほどの質問と関連するのですけれども、国と地方の自治体との関係についてお伺いしたいと思います。
 今国会で感染症法と新型インフルエンザ対策等特別措置法が改正されましたけれども、これは今やっている対策の実効性を高めるといったところに主眼が置かれていて、国と地方の権限について見直しはなかったかと思います。
 他方で、これまで例えば東京都から上がってくる病床のデータがちょっとちぐはぐなデータが上がってきて、他のところとちゃんと比較ができないとか、あるいは、宣言が発出される前に、午後8時までの飲食店の営業時間の短縮要請というのがなされなかったり、であるとか、いろいろ問題も生じているかと思います。
 お聞きしたいのは、地方自治体の役割が重要であるということは事実だと思うのですけれども、国の権限をもう少し強化して、指示の条文はありますけれども、使いにくいという声もありますので、もう少し国の権限を強化するというような形で制度を見直すというお考えは、総理はございますでしょうか。

 

(菅総理)
 まず、現状のコロナ対策ですけれども、国が基本的な対処方針を決めて、その枠組みの中で都道府県が対策を講じ、それに対して国が必要な財政支援をする。こうしたことが特措法において定められています。
 また、病床の確保においても、国がやはり強力な財政支援をし、各都道府県において事前に計画を策定して、地域の感染状況において病床を確保する。ある意味で、国と地方の関係というのはそのような関係であります。常に、国は財政支援で応援する。そして、現場は都道府県でやる。しかし、国からも成功例とか、そうしたことについては都道府県にも指導するというのですかね。クラスターが発生すると国のチームが行くとか、そういう形でやっています。
 こうした仕組みの中で、適切な役割分担をしながら今、進めているわけでありますけれども、国と地方自治体が連絡を取りながら、病床の確保とか、そういうことをやっていきますけれども、ただ、これはやはり一旦収束した段階では、必要な検証はしっかり行っていく必要があるのではないかなというふうに思っています。

 

(内閣広報官)
 それでは、奥の時事通信の大塚さん、お願いいたします。

 

(記者)
 時事通信の大塚です。
 総務省の谷脇総務審議官がNTTから接待を受けたとされる問題ですが、谷脇さんをこのまま、今のポストのまま仕事を続けさせる予定でしょうか。
 また、さきの接待問題に関する調査が不十分だったと言われていますけれども、武田総務大臣の責任についてはどうお考えでしょうか。

 

(菅総理)
 今のお尋ねの件につきましては、現在、調査中である。そういうふうに承知しておりますので、お答えは控えさせていただきたいと思います。
 また、武田大臣はそのリーダーシップの下に事実関係の確認を徹底し、ルールにのっとってしっかり対応してほしい、このように思っています。

 

(内閣広報官)
 それでは、ビデオニュースの神保さん、どうぞ。

 

(記者)
 ありがとうございます。ビデオニュースの神保です。
 総理、ちょっと今の事に関連しますが、放送事業者による官僚への接待問題について御質問したいのですけれども、もちろん監督対象の事業者から接待を受けているということ自体大問題なのですが、そもそも放送事業者がなぜ総務省の幹部を接待しなくてはならないのか、する動機付けがあるのかといえば、いろいろあるのかもしれません、特に日本の場合は、先進国の中ではかなり異例もしくは異常と言っていいと思うのですが、1950年代につくられた政府が直接放送事業者に免許を付与するという、かなり先進国ではあり得ないような制度が今も続いているために、総務省が放送事業者に対してものすごい強い権限を持ってしまっているという現実があると思います。
 そこで総理に御質問なのですが、現在のように、1950年代、制度がつくられた当時とは時代背景も全然違うし、しかも地上波のほかBS、CS、しかもインターネット放送も可能になっている今現在において、こうまで強い監督権限を、特に放送事業者に対して総務省に与え続ける、あるいは持ち続けることの合理性についてどういう理由があるのか、総理はどうお考えなのかということ。
 それから、日本は免許の付与権限を他の欧米諸国のように倣って、例えばかつての電波管理委員会のような行政機関のようなものを設立して、そこに付与するようなお考えはないのか。
 そして、最後に、規制改革を旗印としている菅政権としては、例えば電波オークションなどを導入することによって、放送の新規参入を推進していくお考えというのはありますでしょうか。もしなかったとすれば、それはなぜでしょうか。お願いします。

 

(菅総理)
 まず、放送を含む情報通信分野というのは、技術革新や国際競争が極めて激しく、国家戦略的な対応が求められる、こういうふうに思っています。そういう意味の中で、機動的、一体的、総合的な対応を可能とする独立した省の形で大臣が責任を持って迅速に行政を執行する制度、今、日本はなっていると思います。
 実は、日本もかつて行政委員会、御承知だと思いますけれども、戦後広く導入された時期がありましたけれども、当時、やはり責任の所在がどうしても不明確になってしまう。そういうことで廃止されてきた経緯などが実はあります。ただ、電波そのものについては、インターネット、そういう中で放送と通信の境がなくなってくるとか、いろいろな状況になってきているのも、これは事実だと思います。そうしたことをもう少し検討する必要があるのではないかなと思っています。

 

(内閣広報官)
 それでは、前列、テレビ東京の篠原(しのはら)さん、どうぞ。

 

(記者)
 テレビ東京の篠原です。
 コロナの追加の経済対策として、自民党の一部や立憲民主党など野党の中からも、困窮世帯に限定した形での個人向けの給付金の再支給を求める声が挙がり始めています。この点について、総理はどのようにお考えでしょうか。
 また、追加の対策としては、消費税減税という形も考えられ得るかと思うのですが、この点についても総理のお考えをお聞かせください。

 

(菅総理)
 まず、新型コロナで影響を受けられている方、事業や暮らしを支えるための支援をしっかり行っていきたいと思います。特に生活に困窮されている方々については、緊急小口資金の限度額、これを200万円に引き上げました。そして、一定の所得水準以下の方には免除する、返済の免除ですが、こうしたことの措置も今講じているところであります。また、住宅確保給付金、これの再支給も行っています。
 また、私、先ほどの挨拶の中で申し上げましたけれども、雇用への影響が大きい女性の非正規の方々、また、このコロナ禍の中で孤独、孤立こういう不安を抱える方々、こうした方々に対して早急に対策を検討し、今月中にもまとめる予定であります。
 なお、先ほど私が申し上げた中で、やはりIT、就業に通じる支援策というものをしっかり行っていきたいなというふうに思っています。特に非正規、そしてひとり親家庭の皆様に対して、そうしたことはしっかりやっていきたいなと思っています。
 また、消費税ですけれども、これについては、今、社会保障の財源として幼児教育の無償化とか大学の授業料、一定の所得以下の人には減免をさせていただくなど、約2兆円を使わせていただいていますので、これはそういう財源になっていますので、引下げは考えておりません。

 

(内閣広報官)
 それでは、再び前列から。TBS後藤さん、どうぞ。

 

(記者)
 TBSの後藤と申します。よろしくお願いします。
 これからの2週間は、恐らくかなりシビアに数字、結果を求められる2週間になると思うのですけれども、その後の21日以降どうするかという判断を迫られることになると思うのですが、その場合、2月に改正されました特措法に基づくまん延防止等重点措置というのがあります。こういったものの適用というのは、その段階で検討される余地、可能性というのはあるのか、これは総理、尾身会長、お二方にお尋ねしたいと思います。お願いします。

 

(菅総理)
 まず、私から先に言わせていただきます。
 特措法において新設されました、このまん延防止については、基本的対処方針の中で、感染状況がステージ3相当となった都道府県において、感染が減少傾向にあっても、県内の特定の地域、このコロナ禍で、例えば東京都は新宿区を中心に一斉検査を行ったことがあります。ですから、全体というよりも、その地域を特定して対応する。そうしたことの中で感染拡大防止に対しては大きな効果があるのではないかと思っています。
 ただ、この2週間後にすぐとかそういうことではなくて、そういう一つの新しい武器を持つことができたと思っていますので、緊急にまた広がってきたら、そこの地域を潰すとか、こっちの地域を潰すとか、臨機応変に対応できる仕組みだというふうに思っています。
 いずれにしろ、具体的な適用の有無について、今申し上げることは控えたいと思います。いずれにせよ臨機応変に使える仕組みであると。そして、大きくなる前に、そこで感染拡大を防止してしまう。そういう場所には効果があるだろうというふうに思っています。
 先生、よろしいですか。

 

(尾身会長)
 この、いわゆるまん延防止重点措置、いわゆるまん防ですよね。これについては、実は、私ども、私も含めて分科会はかなり強い関心を持っています。なぜならば、実は、去年、残念ながら2度目の緊急事態宣言を発出しなかった理由の一つは、実は我々分科会は、もう去年の夏頃にステージの考えを提出させていただいて、ステージの考え方の背景には、実は緊急事態宣言を発出する前に、ステージ3という、言ってみればバッファーというか中間地点を置いて、そこに来たら、もうかなり今まで、そのステージ2以下のときよりも強い,準緊急事態宣言と言ってもいいと思いますけれども、そういう措置をしっかりやっていただいて、緊急事態宣言を何とか回避したいという思いでできた考え方ですけれども、先ほど、自治体と国との役割、権限という話がありましたけれども、実は様々な理由で、この、いわゆる、そういう強い措置を踏むということが必ずしも一体感を持ってできなかったということがあって、それは先ほどの御質問の中で言えば、国と権限の役割、あるいは責任の分担ということも関係していますけれども、結果的には少し、そういうことで、そもそものステージ3のときに比較的強い措置を採っていただいて、緊急事態宣言、ステージ4を回避するということが、いろいろな理由でこれはうまく機能しなかったということが、我々は強く感じています。
 したがって、今回は2週間の延長ということもありますし、その後いずれは、2週間かどうか解除されますよね。そのときには我々は大きく学んだのですね。これは大きなことを学んだと思います。そういう意味では、このまん防ということを、適宜、大きな波になってしまう前にしっかりと、それこそ国がしっかりと決めて、自治体も一緒になって連携してやってもらうことが、私は、去年、学んだことをいかすという意味で、非常にこれが、これからいずれ解除されますよね。このときに求められるものの最も重要なものの一つだと思います。

 

(内閣広報官)
 大変恐縮でございますけれども、かなり長時間にわたっておりますので、あと2問ということで、短めにお願いしたいと思います。
 それでは、そちら2列目の京都新聞、国貞さん。

 

(記者)
 京都新聞の国貞と申します。
 病床使用率についてお伺いしたいのですけれども、2月下旬に東京都の重症者病床の使用率が国の基準に合わせたことで、突然大きく下がったということがありました。これに関して、一昨日の参院の予算委員会でも質問があって、これは厚労大臣が答弁されたと思うのですけれども、実は、病床使用率の修正は、今回始まったことではなくて、1月以降、京都府と神奈川県でもありました。京都の場合で言いますと、東京とは逆に使用率が跳ね上がったのです。これは、国が公表する指標の数値というのは詳しい説明なく、修正されたような形になっているのですけれども、この使用率なのですが、緊急事態宣言の発令とか解除に関わる重要な指標であって、専門家、総理も判断材料の一つにされていると思うのですが、ただ、こういう重要なデータがころころ、都道府県の報告の上げ方があるのかもしれませんけれども、大幅な修正が何度も続くようであれば、数字の信憑性(しんぴょうせい)にも関わってくると思うのですが、総理、こうしたことがもう起きないように、何か基準みたいなものをもう一度より明確に何か統一するとか、そういったお考えというのはありませんでしょうか。

 

(菅総理)
 まず本来、各都道府県の病床の状況というのは、全国統一の基準で見るべきものだというふうに思います。かねてから、東京都に対しては厚労省から、東京は都独自の基準でしたから、病床の占有率ですか、報告されたものですから、国の基準に基づいて報告するように東京都にお願いをしてきました。これを受けて、2月中旬に都が国の基準に基づき調査をし、2月下旬にその報告を頂き、今般、その基準に基づいて行っている、そういうことであります。ですから、全国の都道府県というのはほぼ国の基準で行っていますけれども、そうでないところについては国の基準に合わせてほしい、そうした指導をしております。

 

(内閣広報官)
 それでは、最後はフリーランスからお取りします。岩上さん。

 

(記者)
 IWJの代表の岩上安身と申します。よろしくお願いいたします。
 総理は先ほどリバウンドは絶対に起こしてはならないとおっしゃいました。誠にそのとおりだと思います。その決め手はワクチンであるというふうにおっしゃいました。これは聞いていてちょっと疑問に思うところがあります。ワクチンだけが全ての決め手になる。何かワクチン万能論のような感じが世の中にあふれかえっているわけですけれども、しかし、実際にはワクチンには発症や重症化の予防効果はあっても、感染そのものの予防効果はないということが明らかになっております。これは、2月4日の田村厚労大臣が私どもIWJの記者の質問に答えて、感染予防が十分なエビデンスはないとはっきり明言されておりまして、この頃、ファイザーのワクチンがイスラエル等で感染予防効果があったというロイター等の報道はありますけれども、査読前の論文です。これを確認しました、厚労省にです。厚労省の担当課は、この件について、国としての姿勢として、感染予防効果はないという姿勢を、これらの報道で改めるつもりはないというふうにはっきりとおっしゃっています。
 感染予防効果がないということは、実は、発症しない人を増やすということであって、感染しても発症しない、本人が気付かない、無症状者を増やすに等しいことであって、かえって無症状者による市中感染を増やす可能性があります。ということは、これは同時に、無症状者に対する無差別のPCR検査を大量に行っていく必要がある。片方でワクチン、片方でPCR検査の社会的検査を無差別に拡充するということをやると。そこで陽性者を洗い出していくということをやっていって、初めて成り立つものではないかなというふうに思います。
 東大が3月頃から気が緩んだらどうなるかという研究報告を出しました。NHKが取り上げていましたけれども、この中では、7月頃には気が緩んだら1日当たり1,200人ぐらいになると。ピークを迎えてしまうと。この気の緩みという中には、お酒を飲んで気が緩むという意味ではなくて、ワクチンを打ったからもう大丈夫だ。もう感染しないのだ。マスクを外してもいいのだという気の緩みの可能性も考え得ると思います。したがって、政府がアナウンスする際にはこれらのことを国民に分かるようにアナウンスした上で、私、昨年の12月25日に会見で総理。

 

(内閣広報官)
 すみません、御質問をよろしくお願いいたします。

 

(記者)
 まとめます。PCR検査の拡充について質問させていただいたのですけれども、全量検査は必要ないと当時、総理はおっしゃったのですね。その御認識は変わらないでしょうか。
 また、五輪を開催するに当たって関係者、選手団には厳重な検査を行う。しかし、観客に対して行うという話はないのですね、まだ。これは無観客でやるのかどうかという問題もありますけれども、観客を入れて行うのだったらば、そこへの全員検査というものを行うべきではないか。民間のスポーツイベントなどでは、直前の入場検査で全量検査を行っているところもあります。そうしたことも含めてお答え願えないか。お考えをお示しいただきたいと思います。

 

(菅総理)
 私自身もワクチンは発症、重症の効果がある、このことの理解を示しています。発症と重症化にはワクチンは効果がある、こういう中であります。ですから、一日も早く国民の皆さんにワクチン接種をしたい。それと同時に、検査の充実、これも必要だと思います。先ほど私、最初の一連の挨拶の中で高齢者施設に対して集中的に今月中に3万か所やるということを申し上げました。さらに、繁華街でモニタリング検査を実施する。こういうこともこれから大都市でやっていきたい、このように思っています。

 

(内閣広報官)
 ありがとうございました。
 尾身先生、お願いします。

 

(尾身会長)
 今、2つの点、ワクチンを打てば感染が完全に防げるかという話は、今、総理もおっしゃったとおり、私は、今回のワクチンはかなり有望なワクチンだと思います。私などが当初予想していたよりも比較的安全だし、いわゆる有効ですよね。今、おっしゃる重症化あるいは発症化予防。これが非常に重要で、しかし、それだからといって、実は仮に、よく分かりませんけれども、普通の常識を使えば、日本の候補者になる人々の恐らく90パーセントが接種することはないでしょうね。国民の7割が仮に打ったとしますよね。子供さんとかは別に。そうなっても、実は、私は、時々のクラスターはそれからも起きると思います。なぜならば、ワクチンの感染力防止ということと同時に、30パーセントは打っていないわけですよね。
 そういうことで、メッセージとしては、是非ワクチンに関するリスクコミュニケーションというのは極めて重要で、副作用の問題等々もあるし、それと同時に、今のワクチンを打ったから、これからどんどん打っていく、増えますけれども、ワクチンを打ったからといって、基本的な手洗いだとかマスクとか、そういうことをやらなくていいということはならないので。当分の間、これは神のみぞ、本当のことは正確には分かりませんけれども、私などの判断は、仮に今年の暮れぐらいまでに日本の希望者の6割、7割が打ったとしても、感染は時々続く。ゼロにはならないと思います。
 そういうことで、ワクチンを打ったからといって全てが無防備というわけにはいかない。最低の基本的な感染対策は続ける必要があるということは、ぜひ国のリーダー、あるいは自治体のリーダーには、副作用の云々(うんぬん)の問題をしっかりと伝えると同時に、伝えていただければと思います。
 それから、検査の方は、これは私どもが以前から申し上げているように、検査というものの、何度も言っているのであれですけれども、こういう席ですので、無症状者の人が大事だということがありますよね。無症状者の中で、今、非常に求められているのは、無症状者の中でも、いわゆる検査前確率と我々は言っていますけれども、検査をすると、恐らくある程度高い陽性率を想像されるようなところには、集中的に、頻回にやることがこれは感染対策上、極めて有効だということが分かっています。
 その意味で、今、高齢者施設とか、あるいは今、岐阜とか栃木で行われていますけれども、ある自治体の御判断で、こういうところが今までも感染リスクが高かった、そういうところに集中的な、重点的な検査をやるというのは、これは感染の全体のレベルを下げるために有効なので、そういうふうにして、国民全員というのはワクチンとの、これは国民全員にやるのは、理想的にはやったらいいと思います。一回やってもほとんど意味がありません。これを定期的にやるというのは、実際にはそれは理想ではありますけれども、それはなかなか現実的には無理なので、今、一番大事なのは、有症状は当たり前ですよね、無症状の中で特にリスクの高いところに集中的に、重点的に、しかも繰り返しやるということが感染拡大防止にも役立つということだと思います。

 

(内閣広報官)
 ありがとうございました。
 それでは、以上をもちまして、本日の記者会見を終了させていただきます。
 今、挙手されている方につきましては、恐縮ながら、各1問をメールでお送りいただきますと、後ほど総理の回答を書面でお返しをさせていただくとともに、ホームページでも公開させていただきたいと思います。御理解を賜りますよう、どうぞお願い申し上げます。それでは以上をもちまして、本日の記者会見を終了させていただきます。御協力感謝申し上げます。ありがとうございました。