1月13日放送の羽鳥慎一モーニングショーの内容もあわせてご覧ください。

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特集 新型コロナと日本 今、何が起こっているのか

2021年1月6日 18時52分

 国内で初めて新型コロナウイルスの感染が確認されたのは、昨年1月15日でした。当時は「新型肺炎」と呼んでいました。
それから1年。日本は3度の大きな「感染の波」を経験し(現在も“第3波”の真最中ですが)今、2度目の緊急事態宣言を迎えようとしています。改めて今、何が起こっているのか、どうすればいいのか、まとめてみました。

(科学文化部 記者 三谷維摩・安土直輝)より抜粋

今何が起こっている?

 新型コロナウイルス対策に当たる政府の分科会は、1月5日、緊急の提言をまとめました。
この中では、現在の感染状況について「大都市圏だけでなく、地方でも広がりやすい状況になっていて、クラスターも多様化するなど、これまでとは様相が異なってきた」と分析し、「首都圏の感染状況が沈静化しなければ、全国的に急速に感染がまん延するおそれもある」としています。

 実際に首都圏、特に東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県の1都3県については、分科会が示している4つのステージの内、最も深刻な「ステージ4」相当の対策が必要になっていると指摘されています。
分科会が示した4つのステージは次のとおりです。

▽ステージ1:感染者の散発的発生および医療提供体制に特段の支障が無い段階
▽ステージ2:感染者が徐々に増加。医療提供体制への負荷が蓄積する段階
▽ステージ3:感染者が急増。医療提供体制に大きな支障が出るのを避けるための対応が必要な段階
▽ステージ4:爆発的な感染拡大や深刻な医療提供体制の機能不全を避けるための対応が必要な段階

ステージ4相当の対策が必要な段階というのは「爆発的な感染拡大」の入り口にさしかかりつつある、非常に深刻な状況です。
分科会では、この段階になると、緊急事態宣言などを検討せざるを得ないとしてきました。

 

度目の緊急事態宣言

では、2度目の緊急事態宣言は、去年の宣言とどこが違うのでしょうか?分科会が強調しているのが、「学んできたこと」をしっかりと生かすということです。新型コロナウイルスは、去年1月の時点ではまだ「未知のウイルス」でした。「どうやって感染するのか?」「症状は?」「治療はできるのか?」など多くのことが謎でしたが、1年間で分かってきたことも少なくありません。
発症する2日程度前からウイルスが排出されること、若い人は症状が軽いケースが多いこと、それに高齢者や持病がある人の重症化リスクが高いことなどです。

中でも、日本の研究によって、早い段階から提唱されたのが「密閉、密集、密接」の「3つの密」を避ける対策でした。

新型コロナウイルスは感染の広がり方に特徴があります。感染している人が、まんべんなく次々と誰かにうつしていく訳ではなく、ある一定の条件がそろった環境に人が集まると、その場所で感染リスクが高まるのです。
その環境というのが
「3密」でした。
インフルエンザなどで考えられていたような飛まつによる感染に加えて、ごく小さな飛まつ「マイクロ飛まつ」が漂うことで感染することが原因の1つだと考えられています。
こうした感染拡大の様式は、
「スーパースプレッディングイベントと呼ばれています。

 特定の人が原因となるのではなく、環境の条件がそろえば感染リスクが上がるということは、その環境を避けないと、誰もが多くの人にうつしてしまうおそれがあることになります。
逆に「3密」を徹底的に避ければ、感染拡大を抑えることができる可能性があるのです。
 

こうした、「これまで学んできたこと」を元に、政府の分科会では感染対策の「急所」として、飲食の場での感染リスクを下げることが重要だと指摘しています。

 

対策の“急所” どうして飲食店?

 飲食の場への対策が重視される根拠の1つとなっているのが、アメリカ・スタンフォード大学などのチームが去年11月にイギリスの科学雑誌「ネイチャー」で発表した論文です。

 論文では、アメリカの主要都市を対象に、昨年3月から5月までの、およそ9800万人の携帯電話の位置情報のデータを使って、どんな場所で感染拡大が発生しやすいのか、数理モデルによる分析を行いました。
この中で、どのような店舗が休業から再開した場合に感染が増えるかを調べたところ、感染拡大に最も関連すると予測されるのが、「フルサービスのレストラン」だったのです。このあと、「スポーツジム」、「カフェ」、「ホテル」などが続きました。
逆に「ガソリンスタンド」「薬局」「コンビニエンスストア」「新車ディーラー」などは、関連は低いと予測されました。

 論文では、例えばシカゴで休業していたレストランが「フルサービス」で再開した場合、1か月で新たにおよそ60万人の感染者が発生すると予測していて、これは2番目に関連性が強いとされたスポーツジムが再開した場合の3倍の人数になるというのです。
 研究チームは、「フルサービスのレストラン」で感染リスクが高まるのは、「訪問客が多く、滞在時間が長い傾向があるためだと考えられる」としています。
一方で、論文にはレストランの営業再開のヒントとなる分析結果も盛り込まれています。
飲食店も含めてさまざまな店舗で最大収容人数の2割に人数を制限した場合、感染者の発生を8割減らせると予測したのです。

チームは、「一律に移動を制限するよりも、店の収容人数を制限するほうが効果的だ」と指摘しています。
 

政府の分科会は、こうした論文に加え、国内でのクラスターの分析結果なども参考に、飲食の場を中心とした対策を「感染対策の急所」だとしました。

もちろんこれは「飲食店」だけではありません。
人が集まって飲食する場所や機会があると感染リスクは高まると考えられます。
食事をする際には、
どうしてもマスクを外すこと、会話が増えること、それに、特に飲酒を伴う場合は声が大きくなったり、感染対策が不十分になったりしてしまうことなどが原因として考えられます。

緊急事態宣言を出すか出さないかにかかわらず、感染拡大を防ぐためには、飲食の場での感染リスクをどれだけ下げられるかが、カギになると考えられているのです。

 

ワクチンがくれば大丈夫?

感染拡大を防ぐ切り札になると期待されているのが、「ワクチンの接種」です。

アメリカやヨーロッパなど海外ではすでにワクチンの接種が始まっていますが、国内でも接種の準備が進められています。
1月4日の菅総理大臣の会見では「2月下旬までには接種を開始できるよう政府一体となって準備を進めている」とされました。


ワクチンで期待される効果と注意点をまとめました。

 

海外ではすでに接種開始

日本で1月6日までに承認申請が出されているのは、アメリカの製薬大手「ファイザー」とドイツのバイオ企業「ビオンテック」の開発した「mRNAワクチン(メッセンジャーRNAワクチン)」と呼ばれるワクチンです。
会社によりますと、このワクチンは2回接種することになっていて、接種は、インフルエンザワクチンなどで使われている皮下注射ではなく、筋肉注射という方法で行われます。

海外で行われた臨床試験の結果をまとめた論文によりますと、臨床試験では、
▼ワクチンを接種した2万人余りのうち、2回目の接種から7日目以降に新型コロナウイルスに感染したのは8人だったのに対し、
▼「偽薬(ぎやく)」と呼ばれる偽のワクチンを接種された2万人余りでは、感染した人は162人に上りました。
このことから、ワクチンによる予防効果は95%だとしています。
また、海外では、ファイザーのほかにも、「モデルナ」や「アストラゼネカ」などの製薬企業が開発したワクチンの接種が始まっていて、ロシアや中国では、自国製のワクチンが使用され始めています。

日本政府はファイザーをはじめとする欧米の製薬会社3社と、合わせて2億9000万回分の供給を受ける契約などを結んでいます。

 

接種始まるともう安心…ではありません

 日本国内で、ワクチンの接種が始まれば、それで安心かというと、決してそういうわけではありません。

ワクチンに想定どおりの効果があるとしても、まだ課題が残っています。

 1つ目の課題はワクチンを多くの人に行き渡らせるのに、時間がかかるということです。
ワクチンは多くの人が接種して、抗体を持つことで、ウイルスのまん延を防ぐ効果が期待されます。
今回の新型コロナワクチンは、国内では、医療従事者や高齢者、基礎疾患のある人などのリスクの高い人たちから優先的に接種されることになっていて、一般の市民まで広く行き渡るにはさらに時間がかかるとみられます。
多くの人たちに広くワクチンを接種するのは大変なことです。
 接種する場所はどうするのか、どういう順番で接種を行うのか、それに一般人たちにどういった方法で知らせるのかなど、事前の準備をしっかりと進めておかないと、ワクチンはあるのに、接種できないという事態にもなりかねません。

    新型コロナワクチンを運ぶ作業員(アメリカ)

 

 2つ目はワクチンの効果はいつから出るのかという問題です。ファイザーなどが開発したワクチンについては、1回目の接種から10日ほどたったころから、感染しやすさに差がでてきたということです。
このため会社では「部分的な予防効果が早期から得られることを示唆している」としています。

ただ、会社では、このワクチンの最大の予防効果を得るためには2回目の接種を受ける必要があるとしています。
2回目を受けるのは最初の接種から21日後。ワクチンの接種が始まっても、すぐに効果が出るという訳ではないようです。
ちなみにワクチンを2回接種すること自体は通常のワクチンでも行われます。例えば、インフルエンザワクチンの場合、子どもなどでは、1度接種してもすぐに十分な抗体ができないことがあります。ところが2回目を接種すると、抗体が素早く上がります。
これは、「追加免疫」とか「ブースター効果」と言われています。また、麻疹や風疹のワクチンでも、一定の割合で抗体が減ってしまう人がいるため、2回接種が行われています。

国内でワクチンの接種が始まったとしても、そこで気を抜かず、マスクの着用や「3密」を避けるといった感染対策を続ける必要があるのです。

  出荷を待つ新型コロナウイルスワクチン(モデルナ製)

 

さらに、もう一つ、考えておかなくてはならないのが、ワクチンの副反応問題です。
ファイザーとビオンテックが開発したワクチンの場合、世界規模での臨床試験では、重篤な副反応は報告されませんでした。ただ、ワクチンには、軽微なものも含めると副反応はつきものです。
海外では一般での接種が始まったあと、アナフィラキシーショックと呼ばれる強いアレルギー反応のような症状が出たケースが報告されています。
これまでのところワクチン自体の安全性に疑問を呈するほどではないとされていますが、ワクチンは健康な人に接種するものだけに、副反応については、慎重に見ていく必要があります。

ワクチン開発に詳しい東京大学医科学研究所の石井健教授は、次のように話しています。

 石井健教授
「多くの人がワクチンに殺到してパニックが起こることや、逆にむやみに怖がって『ワクチン忌避』と呼ばれる風潮が広がるのも避けなければいけない。ワクチンを接種することの利点とリスクのバランスを考えながら、社会全体でしっかり対処していく必要がある。また、どんなにワクチンが有効でも、接種が始まってから、流行を抑える効果が出始めて、さらにその効果が実感できるようになるまでには4、5年は様子を見る必要があると考えられる。『最近、コロナの感染を見なくなったね』と思えるようになるまでには時間がかかるだろう」

 

 

羽鳥慎一モーニングショー 2021年1月13(水)放送より抜粋

 

 出 演 者


  二木芳人先生    大谷義夫医師   羽鳥慎一     斎藤ちはる      浜田敦子


   玉川徹

 

前半の途中から

(羽鳥アナ) デリバリーが今忙しくなってきているようですが、このことは浜田さん、いかがですか。

 

(浜田さん) オンラインで仕事をしなければいけない人が増えて、1日オンライン会議とか、1日オンラインで講演という人が私たちの周りにも多いんですけど、家のWi-Fiを家族で共有すると不安定になったりする心配になる人が、ホテルを使ったり、カラオケボックスで1日そこで会議をしたりっていうように、すごく需要はあると思います。実際にスペースマーケットという空きスペースを貸したりしている会社が、非常に業績が伸びているようです。こういった空きスペースを貸すっていうようなものが、新しいビジネスにもなるのかな、って感じはしています。

 

(羽鳥アナ) カラオケなんかをするのは飛沫とかが心配だなって思ったんですけど、こういうことに利用する時は1人ですし、楽器演奏したりとか…

 

(浜田さん) そうですね、カラオケ以外にスペースとして考えれば、一人で行って静かに仕事をしたり、会議とかに使うっていうのは、むしろ防音がしっかりしているので話している内容も外に漏れませんよね。これ、今皆さん室料ゼロ円なので、自分で外に借りようとするとお金かかっちゃうんですよね。なので、これは私もいいなって思いました。

 

(羽鳥アナ) まあ、この…玉川さん、業種によってはピンチって所もありますが…でも、なんとかこのチャンスを頑張っていこうっていう…どうですか、工夫だと思いますけど。

 

(玉川さん) やはり、工夫がね、大変だと思うんですけど。でもこれ、いつまでも、いつまでも続くわけではないので、ほんとにあと半年ぐらいは乗り切ってもらいたいと思います。あの、僕も完全にデリバリーはインフラですね。デリバリー、昔のように出前って言われていた時代では、僕は今乗り切れてないですよ。これが必要なインフラですよ。

 

(羽鳥アナ) 電気、ガス、水道、ウーバー。そういう言葉に定着しそうな感じがあります。さあ、この1か月ほど頑張っていきましょう。

 

では、本題に入ります。

 緊急事態宣言 が11の都府県に拡大する中で、昨日西村大臣が午後8時以降だけではなくて、昼間も不要不急の外出自粛を改めて呼びかけました。また、東京では、一部のPCR検査の結果の判明に遅れが出始めている所があります。

ここからお二人にお話をお伺いいたします。

感染学ご専門 昭和大学客員教授 二木 芳人さんです。よろしくお願いいたします。

そして、池袋クリニック院長 大谷 義夫さんです。よろしくお願いいたします。

 

昨日の全国の感染状況です。

新規感染者は4538人です。過去最多は、徳島県35人、佐賀県32人です。さらに神奈川県は906人。これは2番目の感染者の数となっています。

全国の重症者の数は、昨日の時点で881人。これも過去最多です。亡くなった方は64人です。

 

東京の状況です。

昨日の新規感染者は970人となりました。重症者は144人。これは過去最多です。亡くなった方は2人です。

この970という数字ですけれども、東京都の担当者によると、先日の3連休、医療機関が閉まっていたその時の検査が少なかった影響の可能性もあるので、けしてこれが減少傾向にあることではないということは認識をしていただきたいということです。

そうした中で、東京の医療体制に新たな動きです。斎藤さん、お願いします。

 

(斎藤さん) 東京都は、都立病院など3つの病院を実質的に“コロナ専門病院”とする方針を固めました。

昨日の時点で、東京都が確保している新型コロナ用患者のベッドは、約86%が埋まっています。

こうした状況を受け、都は、

「都立広尾病院」「公社荏原病院」「公社豊島病院」にいついて

 ●必要な診療以外の入院・診療を休止

 ●現在入院患者の転院を調整中

 コロナ患者を集中的に受け入れる重点拠点にする方針

現在、入院している患者の転院の調整などを進めています。

 

  都立・公社病院のコロナ病床

 ●現在1100床➡1700床に増やす方針

 ●他の病院についても不急の手術を停止する見通し

 

(羽鳥アナ) 必要最低限の診療は行う、ということですけれども、二木先生、実質コロナ専門病院ですか。

(二木先生) 

 はい、これは医師会のほうがこういう形で、「どこかに集中したほうが、それぞれの病院が患者さんを診るよりは効率がいいし、そうするべきだ」と提案しておられましたので、それに向けての準備ということですが、国の方が「病床を増やしてくれたらお金を増やしますよ」とおっしゃってくださっていますけれども、なかなか病床を作るというのはハードルが高いもんですから、今ある所をこういった形で活かしていこうということですよね。ですから、東京が用意してくれた4000床用意されたものが、今はもう86%ぐらいですから、少なくなったと言っても1日1000人ぐらいの患者さんがおられるわけですから、そういう状態が続きますとすぐに一杯になってしまいますね。

 

(羽鳥アナ) そうですね。

 

(二木先生) ですから、600床といえども、大急ぎで増やしていく、と。加えてさらに対応が必要だろうと思いますね。

 

(羽鳥アナ) これからも増やしていく方向にあるんでしょうけれども、まず600ということです。大谷先生、このコロナを重点的に治療する病院との影響で、ここで治療を受けているコロナ以外の方が、他の病院に順次他の病院へ移されていくということですけれども、そちらへの影響に関して、大谷先生はいかがですか。

 

(大谷先生) おっしゃる通りなんですね。私のクリニックにも昨日、連携している豊島病院からご連絡をいただきました。救急の受け入れが中止になるわけなんです。実際、私のところの心筋梗塞の方を夜間でも受け入れてくださっていたんですね。21時でも、22時でも対応してくださっていたのが、今後心筋梗塞などの救急疾患の患者さん、豊島で受けていただけないとどこへご紹介しようかと悩んでおりました。

 

(羽鳥アナ) ん…。ただ、やっぱりコロナの実質的な専門病院が出来るっていうのは、このコロナに関しては前進ということだと思いますけど。

(大谷先生) そうですね。コロナに関しては前進ですね。ですが、一方で一部弊害は出てしまうだろうなというところです。

 

(羽鳥アナ) 浜田さん、コロナの治療を集約していく、そして病床を増やしていこうという動きではあります。

 

(浜田さん) あの、二木先生にお伺いしたいんですけれども、専門家の方々の中には、「病床数を増やしても実際医師や看護師たちを集められるのか」、という事を指摘される方もいらっしゃいますが、この点はどうなんでしょうか。

 

(二木先生) その通りですね。ですから、やはり病床数とかを増やしていきましても、それをきちんと管理する、あるいはそれに対応する医師や看護師さんたちですね。そういう医療従事者が今の状態でもそれぞれの病院にはりついて、十分機能しているわけですから、それを動かしていくというのは非常に難しいところがありますね。仮にそうした方々に来ていただいても、もし直接的にコロナを診ていただこうと思えば、それなりのトレーニングも必要になりますので、そう簡単にベッドが増えたからと言って、すぐそういったことが出来るわけではありませんので、それはいろいろ考えながらこれから、しかしながら、今の状態で一杯いっぱいですから、いくつか工夫していく必要があるのかなって思いますね。

 

(羽鳥アナ) これはそのー、一旦看護のお仕事から引退された方、経験された方、あとは看護大学の大学院生。そういったところもという報道もありますけど。

 

(二木先生) それは今お話したように、“数”ということが助けになるんです。しかし、周辺にもいろんな仕事がありますから、していただくというのはいいんですが、やはり実際にコロナの患者さんをみるということになれば、それなりのトレーニングと時間も必要です。大学におられた方とか病院におられた方というのは、久しぶりに現場に出られるわけですから、いろいろ新しい事もありますので…でも、そうも言っていられませんので、いろんな方に復帰していただいて、働きながら若い人を積極的に育てていく事が必要になるかもしれませんね。

 

(羽鳥アナ) さあ、玉川さん、コロナ対策としては、実質的専門病院、これが東京に増えるということになります。

 

(玉川さん) はい。あの、これは非常に良かったと思いますね。あのオペレーションがしやすくなると思うので、これは非常にいい事だと思います。確かに専門病院にする時に、他の科のお医者さんとか患者さんも転院されるってことだと思うんですけど、例えば、同じ都立の中であれば、集約をすれば逆に、他の病院の呼吸器のお医者さんとかに専門病院化した病院に移ってもらって、それで強化するってことも必要でしょうね。

 それから、もしそれで足りないってことであれば、ここはやはり、東京都の医師会の会長さんが、ずっと危機感を訴えていらっしゃるので、これは医師会にも協力をしてもらってですね、交代で民間のクリニック含めて、呼吸器の専門の先生などに助けてもらうってこともされるべきかなって思いますね。

 

(羽鳥アナ) 東京都の医師会っていうのは、開業医さんの集まりってことでいいんですよね。

 

(二木先生) そうですね。開業医の先生だけじゃなくて、病院の先生方もお入りになっておられますが、主にですけれども開業医の先生方が中心ですけれど。ですから、そういう意味では、そういう所でそれぞれ融通しあうと。今玉川さんがおっしゃったように、特に都立・公社病院あたりがそのへんの融通はしやすいところが或いはあるかもしれません。(ちょっと病院の内容までは分からない所もありますが)

 

(羽鳥アナ) はい。そして緊急事態宣言です。

現在は一都三県に出されていますけれども、今日7府県追加されます。

 

 緊  急  事  態  宣  言 

今日 7府県

大阪・京都・兵庫・愛知・岐阜・栃木・福岡 に発出へ

 

菅総理は緊急事態宣言について、分科会の尾身会長から

 「皆がまとまって頑張れば1か月でステージ3にいくことは可能だ」

 という発言をちょうだいしている

 全員で協力することが一番大事

 国民の説明し理解を得ていきたい

ということです。

 

二木先生、7府県追加で出ます。

 

(二木先生) そうですね。東京だけでなくて、それぞれの地域によって状況が違いますでしょうけれど、知事さんの方から要請があった所、あるいは福岡なんかは、まだ知事さんはおっしゃっていなかったようですが、おそらく協議をされて国の方から積極的に前倒しにやっておられるということですから、いざという時は比較的広めに網を張って早めに対応していく事が非常に重要ですね。

 

(羽鳥アナ) 大谷さん、政府が1か月で解除の目安、ステージ3に行くのは可能。そこまで頑張るんだというコメントですが、これに関してはいかがでしょう。

       

(大谷先生) はい、一方で私の患者さんたちも、「1か月でいけるのかな」と心配している患者さんはたくさんいらっしゃいます。さらに、「まだ政府の声がそこまで届いていない」という患者さんの声をたくさん聞きますので、ぜひここは、総理に強いメッセージを出していただければ有難いですね。

 

(羽鳥アナ) はい、今日の夕方、また会見があります。

そうした中、今緊急事態宣言が出されている神奈川、東京、千葉、埼玉 一都三県の知事が、官邸を訪れました。

菅総理、西村大臣と意見交換をしました。

 

意見交換の後、神奈川の黒岩知事です。2回目の緊急事態宣言について、

 1回目の緊急事態宣言の時、神奈川の感染者は50人前後

 今や1000人にもいこうという状況

 何より緩い措置で良いわけがない

 徹底した外出自もっと強調する必要があるのでは

と、伝えました。

 

西村大臣が昨日 “あたらめてのお願い” ということで、

 誤解もあるが

 昼間も含めて外出自粛をお願いしている

 不要不急の外出は控えていただきたい

 昼間もランチなら(感染)リスクが低いということではない

ということです。が、二木先生、この黒岩知事の発言、もうちょっと徹底する必要があるんじゃないかってことですが…

 

(二木先生) おそらく一都三県の知事さんは皆そう思ってるんじゃないですかね。今大谷先生からお話が合ったように、一般の方でも、「これ少し緩いんじゃないかな?」「このままで大丈夫なのかな?」というイメージがありますから、もう少し、特に知事さんの場合は緊急事態宣言が出ると、権限である程度、自由裁量権で出来ることもいろいろあるかと思いますので、少し強めの方策を出されてもよろしいんじゃないかと思います。それから、西村さんがおっしゃっていますけど、これは誤解じゃなくて、明らかに8時以降の…というメッセージが良く伝わっていて、若い人たちなんか、以外にも8時以降出てこない。守って下さっているわけです。ですから改めて、「8時以前はいいということじゃないんですよ」という事をきちんと伝えなきゃいけないですね。

 

(羽鳥アナ) はい、ほんとそうですね。昼間もずーっとそうなんですけれども、午後8時以降は特に徹底してということだった。なんか“誤解”って言われると、こっちが悪いのかなって思っちゃいますよね。

これ、大谷先生、西村大臣が言っているように現場の感覚としてメッセージが伝わり切っていないのかな、って感じはあるってことですね?

 

(大谷先生) はい、おっしゃる通りなんです。私の患者さんの中で、陽性になる患者さんの約半数は、年末年始の会合、飲食、忘年会、新年会が半分ですけど、残りの半分の方は、会社と家の往復だけ。ただ、マスクを外す瞬間は、昼のランチぐらいしかないって方が結構いらっしゃるんですね。その点で、昼の飲食に関するメッセージが伝わり切っていない。さらには、飲食店側の問題として、まだすべてのレストランにアクリル板は設置されていないと思いますね。せめてアクリルのガードだけはすべてのレストランに設置されたほうが、感染対策として、今後レストランが生き残るためにもよろしいかと思います。

 

(羽鳥アナ) はい。浜田さん、そのー、時間が悪いわけではない。行動ですね。だから、飲食店じゃない。飲食がポイントなのかなって思いますけど。

 

(浜田さん) そうですね。第一波の時に、“人々がなぜ行動を変えたのか”という調査を東大の経済学者の渡辺努(わたなべ つとむ)先生って方がやっていらっしゃるんですね。それによると、

 政府の強制的な緊急事態宣言による介入効果は

 四分の一ぐらいしかなかった。

 むしろ、人々がいろんな情報を自分で入手して、自ら行動を変えた。

 この情報効果が四分の三だった。

という研究結果を出していらっしゃいました。

つまり、強制力による効果は薄くて、より納得して共感して自発的に行動を変えてもらうかということがポイントになると思うんですけれども。

その場合、必要なのは正しい情報を伝え続ける。真摯に伝えるメッセージを出し続ける。政府のどういうメッセージを出すかってことが非常に重要になると思うんですね。誤解があると言うのであれば、誤解を与えるようなメッセージの発信の仕方をしてしまっているということだと思うので、西村さんが誤解だと思うのであれば、「誤解を与えるようなメッセージを出してすみませんでした」と言ってから、正しくはこうです、と強く繰り返し言う必要があると思うんですけれども。それにもかかわらず、去年も、「できるだけ会食を避けてください」と言われたりとか、「マスク会食はOK」と言われたりとか、やっぱりみんなそう言われたら、都合のいいように解釈するので、ここまでいいんだと解釈してしまうと思うんですね。なので、先ほど大谷先生が言われたように、「夜はダメだけど、昼のランチはOK」とかというように、間違って解釈をしてしまう。やはりこれはメッセージを伝える側の責任だと思います。

 

(羽鳥アナ) 玉川さん、受け取る側もやはり長期、ずっとですけれども、特にこの1か月は、こういったところをしっか考えながら、昼も夜も一緒ですよって意識が大事だと思いますけど。

 

(玉川さん) でも、やっている人はやっているんですよね。届いている人は、届いていてやっているんですよね。そうじゃない人にどう届けるかというふうになってくると、例えば、これからメッセージを小出しに出していっても、もうすでに届かない人にはお小言にしか聞こえないんじゃないですかね。僕は、このまま何の理由か判らないけれど感染が減る可能性だってあります。あの未知のウイルスですからね。だけど、一方で2月7日、1か月経っても減らないっていう事を想定しなければいけないと思うんですけども、それが政府の仕事だと思うんですが、僕は、ポイントは2月7日かなぁって思っていますね。

 

(羽鳥アナ) 今のところ2月7日まで宣言。延長があるかどうかは分かりませんが。

 

(玉川さん) はい。だから、そこまでに収まってなかったら、その後どうしますって言わなきゃいけなくなるんですね。7日ちょっと前に。そこが最後のポイントかなと思っています。その時に、届いていない人にも届くようなメッセージの出し方と政策の転換のようなものが、ここで出来るかどうか。そこにかかっているのかなって思いますね。

 

(羽鳥アナ) 特に2月7日までは頑張っていくということになってくるんだと思います。さあ、そして今日緊急事態宣言が出されます大阪の状況ですが、大阪はちょっと早めに、札幌とともに営業時間の短縮要請の対策をしています。一旦感染者は減少傾向にあったんですけど、また増えてきています。

加藤官房長官も先週の火曜日に、

 北海道や大阪は

 営業時間の短縮要請が行われる中で

 感染の上昇が抑えられてきている

という話をしています。

 

確かに抑えられてきていましたけれども、ここに来てちょっとまた変わってきました。

 

大阪を見てみます。

11月に入って感染者がちょっと増えました。

11月22日、それまでの最大の1日490人という感染を受けまして、11月27日、大阪の北区と中央区のお酒を提供する飲食店に午後9時までの時間短縮要請をしました。

その後、増えたり減ったりしながら横ばいで、

12月16日までには、午後9時までの時間短縮要請を大阪府全域に拡大して、若干減る傾向にあったのですが、1月、年を越えてにまた増えて行きまして、先週の金曜日に1日654人、過去最多の感染者を確認ということになりました。

なぜ、この年明けに感染者が増えたのか。

その理由について、吉村知事は、

 年代別では20代がものすごく跳ね上がっている

 飲食店以外の場もあるとは思うが

 クリスマスや年末に様々な人と会ったり、食事したり

 これらが原因ではないか

と言っています。

 

一方で大阪府の担当者の方は、

 正直 最近の数字に驚いている

 年末年始のイベント、飲み会でだけで

 これだけ増えることは説明ができない

 なぜ急増したのか

 これからしっかり分析していかないといけない

 こういったことで大阪府は、明日(1月14日)から2月7日の措置を決定しています。

 

明日から来月7日まで

対象  大阪府全域

午後8時  までの時短営業

飲食店

要請

映画館など

商業施設

お願い

 

 大阪府全域に午後8時までの「営業時間短縮要請」、飲食店に対しては「要請」、そして映画館などの商業施設に対しては「お願い」という方針になっています。

二木先生、一旦減少傾向が見えたんですけど、やはり年明けまた拡大。原因はいろいろ考えられると思いますが。

 

(二木先生) そうですね。東京の場合もそうですが、全国的に見ても年明けの急増っていうのは、非常にこれは説明がつかないことがいろいろあるようですね。分科会の押谷先生なんかも、「ちょっとこれは異常だ。これから分析しなければいけない」とおっしゃっていますけど、一つは、やはり年末年始、特に年末年始とかイベント・忘年会とか、かなり制限されたとは言え、ある程度そういうものの影響があったんでしょうね。

それからもう一つは、年末年始で検査とか受診が少し抑えられますから、そういうものが年明けにバッと出ることもあると思います。でも、それだけでは説明がつかないということですので、煽るわけじゃありませんけど、やはり“変異種”の問題ですよね。そういうものが予め日本にもうすでに入っていて、若干の影響を及ぼしつつあるということも一応仮説として入れておいて、そういう場合でも対応できるような策を講じていく必要があるかもしれませんね。

 

(羽鳥アナ) はい。大谷先生、この大阪の状況を含めて、年始の状況をどうお考えでしょうか。

 

(大谷先生) はい、私はやはり、年末年始の人の集まりは、やはりある程度大きかったのかなと考えております。と言いますのは、高齢者の方はかなり控えてくださったんですけれども、若い患者さんにおきする限りでは、「年末普通に集まっていた」ということをインスタグラムなどにあげていらっしゃいますね。また、二木先生がおっしゃるように、大阪だけでなく、東京でも急激な増え方。確かにこのウイルスの特徴として、ある程度増えれば指数関数的に増えますけれども、東京でも“変異株”の問題がちょっと心配ですね。

 

(羽鳥アナ) やはり感染力が強くなっているんじゃないかということも言われていますから、その影響ももしかしたらあるのかもしれない、ということです。

浜田さん、いろんな理由はあるかもしれないですけれど、一旦減少傾向にあった地域、大阪、北海道が若干増えてきているってことがあります。

 

(浜田さん) 実際に感染した大学生などの話を聞くと、「鍋パーティーをやった」というようなことは聞きました。やっぱり飲食店だけではなくて、

家族以外の、家族が感染しないというわけじゃなくて、家族だともう感染してしまうんですけれども、家族以外の人がマスクを外して飲食をするという行為は、飲食店だろうと家庭内であろうと感染するというメッセージが伝わってなかった。後になって「やっぱりあの時のパーティーがそうだったんですね」って感じだったので、正しい知識、どういう時に、どうしたら感染するのか、って事が、特に年末には伝わってなかったように感じました。

 

(羽鳥アナ) やっぱり玉川さん、マスクを外して大きな声で話をする、ご飯を食べるということがポイントなんだろうなって気がします。

 

(玉川さん) 一時期、大阪の吉村知事が、「4人以上の会食を止めてください」って言っていましたよね。じゃあ、4人以下だったら感染しないのか?と僕はあの時思ったんですけど、感染している人と感染していない人が、1人と1人居れば、そこで5人以下だったらいいのかって思っちゃったことが残っている部分とか、それから飲食店でも「対策をしているお店だったら大丈夫だ」っていうような気が一時しましたけど、でも、お店がいくら対策をしてもお客さんで感染している人がそこに居て、出しているウイルスが多ければ、その近くにいる人は、お店がいくら対策したってうつる場合はうつりますよね。だから、結構誤ったメッセ―ジがずっと続いていたんじゃないですか?もしかしたら、その謝ったメッセージを若い人たちは、自分たちはホームパーティーにしろ、お店で騒ぐにしろ、やりたいわけです。だって若いんだから。そういうふうに若い人たちにとってみれば、「5人以下だからいいでしょう」とか、「感染対策この店はしているんだから大丈夫でしょう」とか。そういうふうな形になってはいないかって、僕はちょっと心配するんです。

 

(羽鳥アナ) 確かに二木先生、少人数でお店がしっかり対策をしていれば感染リスクは下がると思いますが、ゼロにはならない。

 

(二木先生) ですから、なぜそうしなきゃいけないか、ということを、もう一度若い人たちにも改めて丁寧に伝えていく事が大事ですね。

 

(羽鳥アナ) 若い人が言われてますけど、これは年齢が高い人も同じように行動を改めなければいけないと思います。

 

(二木先生) その通りですね。

 

(羽鳥アナ) そして、大阪と同じく、今日、緊急事態宣言が出される栃木県ですけれども、

昨日栃木の福田知事が、

 栃木県の厳しい感染拡大状況

 医療体制のひっ迫状況などについて

 西村大臣に説明しました

ということで、緊急事態宣言の対象に追加するよう要望しました。

 

栃木の感染者数は先週金曜日に、過去最多の150人ということです。昨日は83人だったんですけれども、ここ最近は100人を超える日が続いていました。人口10万人あたりで見てみますと、感染者が45.83人。実は、栃木は全国で3番目に高い数値となっています。1番目は東京。2番目は神奈川県。それで、全国で人口10万人あたりでみると、3番目に高いということで、

栃木県の医療体制は

 病床が333床あるうち183床が埋まっていて、病床使用率は55%ですが、問題は入院調整中の人が970人も居ることです。これは分かっている感染者の数からすると、かなり多い人数だと思いますが、この人数の方が入院調整中だと言うことです。

 

倉持医長のクリニック(宇都宮)では、

今年に入って、おとといまで、ですから11日間で約150人が陽性です。

 全員の入院は難しく、

 どの患者を優先するか判断を迫られる状況にある

ということです。入院すべき人が入院できない。

 入院しないと命にかかわります。

 患者さんが「入院したい」と

 言っているにもかかわらず入院するベッドがない。

 結果、トリアージ(選択すること)を

 しなければならなくなっている

ということなんです。

 

倉持先生の感じでは、先ほど栃木は55%と言いましたけどぼ、これは確保病床で考えた時の事なので、実際の運用、看護師の方の数とか、そういうものの運用で、「運用できる病床数からいくと55という数字ではないんじゃないか」ということです。

二木先生、栃木県の見た目の患者数は全国的に少ないかもしれませんが、ただやっぱり医療体制ことなどを考えると、非常に厳しいということだと思います。

 

(二木先生) あのー、先ほどの人口10万単位で、けして少ないわけでもない。栃木県は、大学、医科大学なんかもありますので、比較的病床はあるのかなと思っていたんですけれども、やはりトータルでみると、それほどゆとりがないですよ。ですから、これは栃木県だけじゃなくて、地方に行きますと、それぞれに事情がありますので、それこそ知事さんがおっしゃることによく耳を傾けて、国の方も積極的に動いて、これに対応していっていいんじゃないかと思います。

あと一つ、調整中の方が970人というのは、非常に多いですよね。地方によってはですね、自宅療養をさせていない所もあるんです。ですから、最低限宿泊療養と。そして、できるだけ必要があればできるだけ入院させようと。そういうことで、もしかするとそこで少したまってしまうというケースもありますね。そのへんところの状況は分かりませんけれども、おそらく丁寧に対応しておられるから、こういうことになるんだろうと思います。ですけれども、保健所の業務もいっぱいですね。そうは言っても、これに早期に対応することが必要ですね。

 

(羽鳥アナ) 大谷先生、栃木の状況をどうお感じになりますか?

 

(大谷先生) はい、倉持先生がおっしゃるように、トリアージ(優先順位をつけて選別すること)しなくてはいけない状況になりつつあります。そうしますと、やはり今後、一般診療に影響が出てくる可能性が高いと思いますので、東京で都立病院が専門化したように、そうしますと一般診療に影響しました。一般診療に影響しますと、助けられる命が救えなくなってしまう可能性が出てきますし、実際、私の患者さんで、つい先日いらっしゃった方、1年前に健康診断で、胸部レントゲンで影を指摘されて、1年間コロナ禍で、受診控えもあって、また緊急事態宣言も出て、受診できなかったんです。1年経って私のところにいらっしゃった時には、残念ながらステージ4の肺がんじゃないかなと思うんですけど、1年前だったらステージ1、2でオペできたんじゃないかと思うんですね。進行してしまう患者さんが増えてしまう可能性はあるかなと思います。

 

(羽鳥アナ) 大谷先生、当たり前ですけどお医者さんだったら、自分が診て、(あっ、この人悪いな)と思ったら処置しなきゃいけない、入院させなきゃいけない、というところが“選別しなきゃいけない”“優先順位をつけなきゃいけない”というのは、これはもうお医者さんとして、こんなに厳しい事はないんじゃないかと思いますが。

 

(大谷先生) はい、あの私、医者人生30年以上、トリアージしなきゃいけない状況に来ると考えたことは無かったです。

 

(羽鳥アナ) 浜田さん、こういう医療態勢の状況で、今は栃木の紹介ですけど、ここだけじゃないということが出てきてしまう可能性はあると思います。

 

(浜田さん) そうですね。すでに、1月11日の朝日新聞で、人工呼吸器をつけるかどうかという選別を医療現場ではしているという記事が載っていますよね。実際に私が12月下旬に聞いた、大阪でコロナの治療にあたっていらっしゃるお医者さんは、「今大阪府が発表している重症患者の倍はいるという実感を持っている」ということをおっしゃっていました。つまり、どういうことかと言うと、「重症患者というように認定されるのは、重症患者として治療をしている人を重症患者として数えている」と。「だけれども、全員に治療できる特に人工呼吸器の数が足りないし、お医者さんなどの数も足りないので、ご家族とお話をして、積極的な治療をしないという選択を現場ではやらざるを得ないんです」ということを、12月の段階でおっしゃっていて、「相当つらい」と葛藤していらっしゃる感じでした。それが大阪だけでなくて、他の地域にも広がっているし、さらに言えば、倉持先生とか大谷先生とか、開業医の方たちが、そのお仕事をやらざるを得ない状況。医師という仕事を選ばれた方たちにとっては、非常につらい現場になっていると思います。

 

(羽鳥アナ) 玉川さん。お医者さんは、人の命を助けるのが仕事なんですけど、それが必ずしも100%出来ない状況の所が出てきているってことですよね。

 

(玉川さん) あの、自宅療養とか、入院待機・待機している方、ものすごい数の方がいらっしゃるでしょ。

(羽鳥アナ) 東京なんて7000ぐらいです。

 

(玉川さん) これ、毎日毎日増えているんですね。そういうような方々は、何ら医療の恩恵を受けることなく、家に居るんですよ。僕はね、アビガンどうなったんだと。そもそもですよ、このアビガンて薬は、新型インフルエンザ、従来のタミフルとか、そういうふうなものが効かないインフルエンザが流行した時に使う、ということで認可は出ているんですよ、すでに。たぶん、新型インフルエンザが流行した時には、診断が付いたらクリニックでもアビガンを渡して、それで自宅で療養になるんだったと思いますよ。そういうふうな使い方を想定して承認されているんですから。それで、確かに二重盲検ではないけれども、ウイルスを減らす効果だとか、それから症状が続く期間を短くすることは分かってるじゃないですか。だけど、二重盲検じゃないからってことで、まだ承認しないわけですよ。

 

(羽鳥アナ) 二重盲検と言うのは、検査の方法ですね。お医者さんも知らない、患者さんも知らない、二人知らないってことですね。

 

(玉川さん) そうそう。確かに厳密な承認のためにはそれは必要なんだけれども、まだアビガンは実際病院で使っているわけですね。現在も。患者さんに使っているんですよ。ということであれば、これ承認できないんですかね。

 

(羽鳥アナ) 二木先生、去年の5月ぐらいですかね、一旦感染が収まって、当時安倍総理が進めるんだって言って、その後、感染が収まったので人数が少ないので治験もできません。ちょっと承認が遅れました。それから、ず~~っとなんですけど。

 

(二木先生) その後も一応数を増やして比較試験をやってきたんですけれども、最終的に今出ているデータではこれが明らかに有効だと証明する結果には至っていない。そういうことで、今回見送られましたね。実は、いろいろと問題はあるかと思うんですが、例えばこういうような緊急事態ですから、アメリカなんかはですね、緊急事態の特別承認というのがあります。これを乱発するんです。何でもかんでも承認しちゃうんです。例えば、ファイザーのワクチンなんかもこれなんです。まだ正式承認じゃないんです。ですから、どんどんやっていく中には、後からデータを集積していくと役に立たない薬だと判って、そういうふうな緊急承認というのは落とされちゃうことがあるんですね。ですから、日本はまだそこまでの状況じゃないので、まあワクチンの話もそうなんですけど、慌てて承認することは避けたほうがいいんじゃないかという医学会領域の良識者の方々の意見もありますので、慎重にやっているということだと思います。

 

(羽鳥アナ) 催奇形性っていう妊娠している女性の方は、赤ちゃんへの影響…

 

(二木先生) そういう話もありますけれど、それ以前に、効くか、効かないかというところがもう一つはっきりできない、というところで慎重になっているのだと思います。だから、これがアメリカのような状況だと、バタバタと人が亡くなるような状況であれば、そういうこともあるのかもしれませんが。

 

(羽鳥アナ) 新型コロナの検査に関してなんですが、まだ十分な態勢とは言えない部分もたくさんありますけど、それでも検査の件数は増えてきています。ただ検査の件数が増えて、検査できても、今度は結果の判明に時間がかかり始めているケースがあります。

 

大谷先生のところのクリニック

  4日以降の検査   陽性率38% 

 

先生、これはすごい数字ですね。

 

(大谷先生) そうなんです。私もびっくりしているんですけれども、年末年始診療させていただいて、その時に3人のうち1人は陽性。年が明けてからも、年末年始の影響もあるんだと思うのですが、まだ3人に1人が陽性の状況が続いているんです。有症状の方は3人に1人です。

 

(羽鳥アナ) そういう状況になっているということです。そして、大谷先生が診ました症例

症例 ①

年末年始にこういうことがありました。

70代のおじいちゃん、おばあちゃんの家にお孫さんが行きました。

おじいちゃん、おばあちゃんの家なので、マスクをしないでお話ししたり、ご飯を食べたりしました。

その後どうなったのか。

お孫さんの陽性が判明して、70代のおじいちゃんもおばあちゃんも検査したら、結果、陽性となってしまった

ということです。

 

症例 ②

 会社で同じ日に4人が陽性になったケースです。

この4人は一緒の会食はなかったが、同じ喫煙所でタバコを吸っていた。

 

これ喫煙所だからいいんですけど、やっぱりタバコを吸う時にはマスクを外します。おそらく多少の会話はあったんでしょう。そうすると、こういうことが起きるケースがあるということです。

大谷先生、このようなことがみられたということですね。

 

(大谷先生) 年末年始、お孫さんからおじいさん、おばあさんにうつしてしまったというのは、よく皆さんが心配されている典型的な事例が起きてしまった。それで実際に、おじいさん、おばあさんは現在入院中なんですけれども、これがさらに重症化しなければよろしいかなと思うんですが、とても心配ですね。

 

(羽鳥アナ) 大谷先生、これはよく言われています若い方(若い方、若い方と限ることはないですが)、ただ無症状・軽症の方が多い。でも、ご高齢の方にいくと重症化するリスクが高くなる。というところが改めて一番怖いところですね。

 

(大谷先生) はい、その典型的な例を拝見してしまったっていうところですね。また、このお孫さんもとてもまじめな方でいらっしゃるんですけども、やはり若い方の中には「自分とその周りだけは大丈夫」とかですね、ご家族の中にも、家族感染だと言われていても「まあ自分たちの家族だけは大丈夫」だと言う、ちょっとした意識はおありなのかなと思っています。

 

(羽鳥アナ) このタバコのケースはやはりマスクを外して、大きな騒ぎをしなくても、こういったこともある可能性があるということの例ですね。

 

(大谷先生) 前々から心配していたんですけれども、実際12月でも食事は他の方々とすることは無くても、喫煙所では他の方々と会話するってことは聞いていましたので、今回は1月になってから4名連続で同じ会社の方がいらっしゃって、「喫煙所は中止ですよね」と。いろんな会社の規定を設けて頂いた方がよろしいのかなと思っております。

 

(二木先生) 特に喫煙所は比較的狭くて、外に煙が出ないように密閉空間ですよね。換気はしているんでしょうけれども、やはり感染リスクは高いですね。マスク外してやっぱり会話しちゃいます。ですから、一人でとか、屋内の喫煙所は✖。にしないといけないですね。

 

(羽鳥アナ) ぜひ、タバコを吸う方は十分気を付けて頂きたい。そして、大谷先生がこの年末年始で感じたのが、検査についての新たな問題点ということです。

 

大谷先生のところは、去年までは院内でPCR検査の検体を採取しまして、そこで検査ではなくて、大谷先生のところは検査会社に送っています。それで検査会社から結果が来るんですが、去年までは次の日のお昼までには結果が来ていました。年明けになったら、3日後まで来なくなった。だいぶ時間がかかるようになってきてしまった、ということなんです。

大谷先生は、大手検査会社に依頼しているが、検査ができても結果が判明するまでに時間がかかる状況になっている。 結果待ちの間に容体の急変 家庭内の感染リスク がある

ということです。

大谷先生、実際に遅れて来ているなって実感があるということですね、これは。

 

(大谷先生) 私が契約している検査会社さんは、ご自分でおっしゃっていたんですけど、「年末年始、これほど爆発するとは思わなかった」というところで、4日、5日はなんとか翌日ぐらいに帰って来たんですが、7日ぐらいから2日、3日と遅れて、こないだの連休の分がまだ遅れている状況です。

 

(羽鳥アナ) 二木先生、検査が場合によっては出来ない人もまだいるんですけれども、だいぶできるようになってきた。できても検査会社に遅れが出てくる、あるいは中々帰ってこない。

 

(二木先生) そうですね。今検査できる会社はいっぱいありますから、それぞれのキャパシティを超えて受付をしているということでしょうかね。やはり年明けに急に増えましたから、あの数にはおそらくかなりのキャパシティを持っている会社でも対応ができない所が出てくるかもしれませんね。まあ場所によっては、まだゆとりがある所もあると思います。

 

(羽鳥アナ) そうですね。濃淡があるようですね。浜田さん、こういう問題点も出てくるんだなと。

 

(浜田さん) そうですね。私の知り合いが年末に感染が判って、ホテル療養から先日退所したんですけども、発熱相談センターとか、掛かりつけ医ではなくて、年末だったので、テレビシーンなんかも売っているそこに、あそこの検査を受けたってことなんですけど、「検査の予約も検査もすぐに受けられなかった」って言っていましたね。予約を取るのにも3日ぐらいかかって、まだその時点で1月2日の段階で検査を受けた時点では、結果はすぐに来たけれども、「予約を取るのにも数日かかった」と言っていたので、いろんな所で少しずつ遅れが出てきているのかなと思います。

 

(羽鳥アナ) 行政検査もそうです。それに比べたら、一般の民間の所っていうのは、皆さん希望する方が多いようで、なかなか受けることがまず出来ない、と。

 

(二木先生) 基本的にああいう所は、原則、症状がなくて陰性だと知りたいという方がおいでになるので、まだまだ多いと言っても数が限られていますので、なかなか予約が取れないという状況がずっと続いているようですね。

 

(羽鳥アナ) 玉川さん、この検査の結果の遅れというのはどうでしょう。

 

(玉川さん) やっぱりその、キャパを超えているから、遅れが出ているんですよね、当然ながら。そう意味で言うとやっぱり未だにキャパシティが足りないっていうことなんですよね。僕なんか常々無症状者への検査って話をしているんですけど、有症状者への検査でもやっぱり足りないんですよね。これは、さすがにもう解消されているかなと思ったと思うんですけどね、テレビを観ている方も。だけど、解消できてないですよ。

 

(羽鳥アナ) これ、大谷先生、クリニックなんかでは検査会社へ依頼するってことなんですか。

 

(大谷先生) 大学病院は、自前のPCRの器械で検査している所が多いですけども、中核病院でも検査会社に依頼してますし、クリニックはほぼ検査会社に依頼しております。

 

(羽鳥アナ) どこの検査会社に依頼するかってこともあると思うんですけど、そうするともちろん濃淡はあるんですけれども、厳しい所では、こういった所も出てくると。

 

(二木先生) お商売ですからね。検査が少ない時にですね、そのような人員を取っておくなんてことはしないわけです。ですから、ある程度落ち着いていると、そこに合わせてキャパシティを整えていきますから、いざこういうふうにしてワッと患者さんが増えた時に、すぐに対応できるかって言うと、やはりなかなか難しい部分はあるんだと思いますよ。ですから民間は、ある程度それは仕方がないことですね。

 

(羽鳥アナ) 需要に合わせての供給体制ってことになるとは思います。ただ心配されるのが、そうやって検査の結果を待っている間に、症状が悪化する例ということです。

 

 都内に住む50代のAさん。(夫と息子の3人暮らし)

先週土曜日に38℃の発熱。

発熱相談センターからPCR検査ができる病院を紹介してもらった。

それで翌日電話しました。そうするとお医者さんから、

 唾液採取は出来ますが、

 3連休中で

 検体引き取りが連休明け

 火曜日になるため

 検査の結果は今週金曜日になります

 それでも良ければ来てください

と言われました。

「大丈夫かな?」と思って、日曜日に電話しているのに、「結果が金曜日か。しょうがない、そういう状況なんだから」ということで、検査結果が金曜まで出ないし、だいぶ日数があるので、家でも常にマスクを着用して、さらにAさんは、こういう態勢をとっています。

 Aさんの家は、2つトイレがあるので

 トイレは、1階と2階に分けて使用

 お風呂は、一番最後に入浴

 部屋の構造上、寝室が分けられないので、

 家の中にテントを張って、

 Aさんは、テントの中で寝るようにした

すべて空間を分けようと努力していました。“こういった状況で過ごさざるを得なかった”、ということなんだと思います。

一時Aさんは、

 解熱剤で熱が下がり平熱になったんですが、

 おととい(月曜日から)呼吸が浅く

 昨日から軽い咳の症状が続いている 

こういう症状が出てきたということです。

 

Aさんは、

 もし陽性だと分かっても

 入院などの対応に数日かかる

 ホームページで見た不安しかありません

という話です。

ですから、結果が遅いということになると、こういう状況にその間なるという例だと思います。

 

そして、東京以外でも判明が遅れている状況のところがあります。

千葉県です。

 千葉県在住 20代のBさん(夫と娘の3人暮らし)

 元日に37.4℃の発熱

 その後、嗅覚障害もあって

     ↓

 先週の木曜日(7日)にPCR検査を受けた

 

7日に検査を受けて結果が来たのが11日です。4日間その検査に、千葉県でも時間がかかっているという状況です。結果は、陰性連絡があったそうです。

 

ですから、最初の例ですけれども、大谷先生、やっぱりその間にこうやって、どんどん症状が進んだように感じてしまうと、不安に感じてしまうし、実際に悪化していくということがあるんだと思います。

 

(大谷先生) はい。患者さんはとても不安ですよね。検査するすべがないですし、また、せめてパルスオキシメータ(酸素濃度を測る器械)があればいいんですけど、普通のご自宅には無いでしょうから、まだ陽性か陰性か分からないうちは、とても不安でいらっしゃるのは当然だと思います。

私の患者さんの中で、先ほど申し上げましたように、1月4日、5日は検査の結果が翌日に出ていたんですが、それ以降遅くなってまいりました。

1月5日にいらっしゃった私と同じ57歳の男性の方は、レントゲン(CT)で肺炎があったんですね。CTで肺炎があって、たまたま5日の検体は、結果が翌日に出ましたので、その方は入院できたんですね。

1週間後に、実は呼吸状態がちょっと悪くなってしまって、ステロイドまで使わなくてはいけない状態になっておりました。逆に考えれば、1日遅れていたら、診断結果、PCRの結果が翌日に出なくて数日かかっていたら、まだ入院出来ていなかったら、ステロイドの治療が出来ていなかったかもしれませんので、自宅でとても大変な事になっていたかもしれないので、彼の場合は、ぎりぎり救われたにかなと思っております。

 

(羽鳥アナ) 二木先生、検査の結果が出るまでに時間がかかることがあると、ご本人はもちろんですが、知らないうちに人にうつしちゃっている。そういうところから広がる可能性も出てくるんじゃないですか。

 

(二木先生) おっしゃる通りですね。ですから、こういうようの検査もうけられない。仮に受けられても遅れるっていう状態は、ある意味では、まともな医療が受けられない状況ですから、医療崩壊の手前ですよね。

ですから、こういうことを防ぐためには、一つはやはり掛かりつけのお医者様をお持ちになることだと思いますよ。そういう先生がおいでになると、すぐ相談ができて、あるいは積極的に診てもらえる可能性もありますので、日ごろから相談先をきちんとお作りになっておくことが大事。まあ、今の状況では、うまくいかないケースもあるかもしれませんが。

 

(羽鳥アナ) 浜田さん、これだとご自身としては怖い。そして周りの事を考えると不安になる。両方くると思います。検査結果のこの通知の遅れによって。

 

(浜田さん) そうですね。検査待ちのケースもそうですし、実際に陽性と判明した後も、自宅療養をしなければいけない人がたくさん今いらっしゃるわけですけれども、やっぱり知り合いで、陽性になってホテルに入るまで待たされたので、自宅で何日か過ごさなきゃいけなかった時に、「ほんと大変だった」って言っていました。この方は親と同居しているということもあったんですが、「自宅で動線を分けるっていう大変さというのは難しい」と言っていましたね。トイレがたまたまこの方の家には2つありました。でも洗面所とかお風呂は1つしかない。食事もバラバラにとるとしても、私の知人は「紙コップ、紙皿でやった」と言っていましたし、洗濯物も自分だけ別に陰性になってからやると言ってためておいたようですけど、その間家族の人たちの緊張感。しかも本人も同居する家族に「うつしたらどうしようと思うのが一番つらかった」と言っていました。

 

(羽鳥アナ) そこは人にうつしてしまう不安というところもあるんだと思います。

玉川さん、こういう結果待ちの間の症状悪化というのは、自宅療養・宿泊療養という不安もありますけど、これも怖いですよ。まず自分がどうなっているのか分からない状況が、ずーっと続くということですから。

 

(玉川さん) 症状が出てから検査をするまでに数日かかって、検査を受けて結果が出るまで数日続くかって。それで、結果が出て陽性だと判ってからも、入院するまでに、また数日かかって。その間、下手したら10日ぐらいになっちゃいますよね。その間、ずーっと症状があるにもかかわらず、現代医療の恩恵に一切預かれないわけですね。この状況は、去年の2月、3月から「この状を続けてはいけない」と、ずっと言い続けているわけですよ。ところが1年経っても、未だにこの状況にあり続けるということはですね、これは政治の責任としか言いようがないです。あの、こういう状況にしないために我々一般国民は、普段仕事があって政治の事はできませんので、代わりにやってくださいってことで行政というものに委託しているわけですよ。症状が出たら、すぐに治療が受けられるように、そういう対策をしてもらうために、我々国民は税金から、行政とか政治に対してお金を払っているわけですよ。ところが、コロナが分かってすぐだったならば百歩譲ってしょうがないですけど、1年経って未だにこういう状況っていうのは、これは私も一国民として、納得できませんね。これ、去年の3月頃の話じゃないんですよ、今の話だから。

 

(羽鳥アナ) 受けるべき人が受けられる状況、本当に必要だと思います。

じゃあ、なんでこういうふうに検査の結果が遅れるのか。先ほどちょっと話もありましたが、検査会社の能力なのでしょう。これが限界に近づいているのでしょうということです。

 

大谷先生がPCR検査の契約をお願いしているのは、 大手の会社 A社 です。

先ほども言いましたけど、去年のうちは翌日の昼ぐらいまでには結果が来ていたんだけど、今は翌日の午前中に来るはずの結果が2、3日後になっていると言います。

 

 大手検査会社 A社 の場合

 A社では、一日に3500件の処理能力を超えて

 連日4000~5000件

 検査依頼が来ているとのこと

 

大谷先生が頼んでいるA社から、倉持先生のクリニックに相談があったと言います。

倉持先生の所はPCRがそこで出来るんですね。処理としては1日300件ぐらいできるのだそうです。

 もし陽性だと分かっても

 入院などの対応に数日かかる

 ホームページで見た不安しかありません

 検査会社 A社から

 検査がいっぱいなので

 急ぎの検体だけ協力できないか

 相談があった

ということです。だから、急ぎの分だけでも先生のところで出来ないかと相談があったということです。

 

大谷先生、設備が整っているとは言え、検査会社からクリニックに相談が来るっていうのは、これはもうかなりの事態だと思いますけど。

 

(大谷先生) はい、もう考えられないですね。まず一つは、倉持先生はご自分で、PCRをご自分のクリニックで拡充しているのは素晴らしい、すごい事なんですけど、そんなことが出来るクリニックは倉持先生の所ぐらいだと思います。一方で大企業さんが一クリニックに「PCRの何百件かやってくれませんか」いうのは、聞いたことないですね。

 

(羽鳥アナ) こういう状況までA社に限っては、来ているってことですね。

(大谷先生) そうですね。

 

(羽鳥アナ) 検査会社というのは、いくつもあります。

今度は、他の検査会社です。

 

 大手の検査会社 B社の場合 

 現在 1日最大3000件の検査が可能です。

 去年の11月頃から毎日3000件近い依頼

 年末からずっと数百件オーバーの状態

 休みなく働く「余力」でなんとか堪えているので

 翌日には結果を出している

 

普通にやれば3000件なのでしょう。ただ本当にフル稼働で休みなく、夜中も全部ってやれば、もうちょっといけるのでしょうが、そういう状況でやって、なんとか結果を出している状況だと、これがこのまま続くとなると、たぶんそのうち限界が来るでしょう、ということです。

このB社の担当者の方ですけれども、

 処理能力の拡充を検討している

 いつ収束するか読めないため

 機材などへの投資は

 慎重にならざるを得ない

 毎日の感染者数をヒヤヒヤしながら見ている

 

これについては、先ほど二木先生からお話がありました。

これは増やせば増やせるのでしょうが、収まった時にそれはやっぱり余剰の投資、余剰の危機ということに。そうすると、これ利益を出すのは民間会社ですから、なかなかできないのはしょうがないのかもしれません。

 

(二木先生) 大きな会社ですと、わりと技術者の人は居るんですね。でも、こういうような新しい検査をしようと思うと、初期投資はかなり大きいですね。何億円ということに成りかねませんので、そう簡単に増えたから増やそうかというようにはいかないし、おまけにコロナの場合は、波がありますもんね。ですから、採算も考えざるを得ないということだと思います。

 

(羽鳥アナ) 民間は同然の事です。(二木先生) はい、そうです。

 

(羽鳥アナ) じゃあ、どこか公的な所、国とかが何かやれば、これは解決するんじゃないかと…

一方でC社です。

 

 大手検査会社 C社の場合 

 現在 1日最大2万件の検査が可能

 現在はフル稼働している状況ではない

 今のところ余裕はある

 

今どれくらいの検査をしているかは公表できないのですが、フル稼働はしていません。余裕はありますということです。やっぱり、先ほど言った濃淡があるというところなんだと思います。

厚労省の担当者は、検査結果が遅れていることについて、

 「一部では確かにそういうことが起きているかもしれない。ただ全体として厚労省としては、まだ問題視するレベルには来ていない」という認識だそうです。

 

これについて、大谷先生です。

検査結果待ちが生じる背景には、検査の予約が多くて、夜にもたくさん検査をしなければいけない。検査会社にとっては、夜間は受け付けてくれない所もある。検査依頼が局地的に集中している可能性もあるのかも。ということです。大谷先生、偏りですね。そういうものも現状としてあるんじゃないかということですね。

 

(大谷先生) そうですね。今回、調べてくださって、まだ余裕がある所もあるってお話でございましたので、実は私慌ててA社だけじゃなくて、このC社さんも含めて、他社さんとも契約したところなんですね。2社、3社と契約しながら、「なんとか翌日に結果を出さなくちゃ」と思いつつ、更には、この後2月に向けてもっと感染が爆発した場合に、すべての会社がなかなか追いつかなくなった時の事を考えて、私も倉持先生ほどじゃないんですけど、クリニックで出来る小型のPCRの機械を発注したところでございます。自分の所でも出来るようにしようかなと考えております。

それからもう一つ、さっき玉川さんがおっしゃったように、ある時からPCRの拡充が問題だったというお話通りなんですけれども、春に比べれば、ずっとずっと検査しやすい状況になって、すごい数の検査ができているんですけれども、やはりこの冬の感染爆発にはまだ足りなかったのかなっていうのが現実です。

検査会社の方が「ぜひ行政、政府が助けてくださればありがたい」とおっしゃっていましたね。

 

(羽鳥アナ) 玉川さん、検査の時もそうでしたけど、検査結果、処理能力ですね、これも民間ですから需要と供給の事を考えないといけないですから、

そこはやっぱり公的な部分の介入というか、補助というか、そこはどう思いますか。

 

(玉川さん) 一応、検査器械を買う分に関しては、これは国費で買えるんですよ。国がお金を出してくれるんですね。逆に検査会社が投資をためらう部分は、器械は増えても検査技師の方は急には増えないんですよ。例えば国のお金で検査器械を買ったとしても、それが要らなくなったとしても、検査技師の方を一回雇ってしまったら、クビにできないわけですよね。だから、実はそっちの方が問題で、検査会社としては人件費の方がたぶん大きいと思います。あと、これ例えば、今のこの感染症の状況を「平時ではない。有事だ。」って言い方を時々すると思うんですけど、まさにこれ安全保障ということで、冬に感染症が爆発する可能性があった時に、民間企業の、要するに設備投資民間企業で「需要があるか、ないか」というところでしぼって対応するってことでは、今のような状況になるのは当たり前なんですね。なので、もしかしたら無駄になるかもしれないけれど、冬に感染爆発する可能性があったら、それにお金を出しておかなければいけなかったんですよ。

安全保障の点で言うなら、軍事的な問題は、ずーっと論議されてきましたよ。日本には自衛隊が1000台の戦車を持っています。だけど戦車って、実用の意味で言えば、1回も使った事がないわけです。ある意味そういうことで言うと、ずーっと無駄な投資をし続けているんだけど、でも、有事が来た時には必要だからということで防衛費に関しては、常にお金を払い続けているわけですね。だから同じことなんですよ。

冬に感染爆発があるかもしれないと思ったら、行政検査でそれは出来ないと言うのであれば、民間の力に頼るしかないので、民間の検査会社に対して、「お金も出します」。それから「人件費も出します」というようなことで、「備えてください」と。もしかすると冬は、感染爆発はしなかったかもしれない。その時は、無駄になる部分に関しては、「無駄になった分もちゃんと国がお金を出しますよ」ってしなければ、当然こんな時には対応できないわけです。それをやってないだけなんですよ。

 

(羽鳥アナ) はい。浜田さん、いかがですか。

 

(浜田さん) あの、厚労省の方のコメントが非常に気になるんですよね。これまで検査の問題だけではなくて、去年の第一波、第二波、第三波。医療機関で働く医師の方たちの苦悩。とにかく現場の実感と常に政策側の認識がずれてきたままで来ているわけですよね。だから、対応が後手後手ということが起きると思うんですけれども、実際に、例えば、大谷先生のように現場で診ていらっしゃる人たちが、検査が遅くなっているという感触を持っていらっしゃる、危機感も相当持っていらっしゃるにも関わらず、“問題視していない”というコメントが出るのはなぜなのか。ちんと現場の事が把握できていないのか、一部で起きているかもしれないのはなぜなのか、とそこをきちんと追及していないのか、もうなんかこのコメントにすべて象徴されているような気がしています。すごく軽んじているというか、という印象を受けました。

 

(羽鳥アナ) 濃淡があるもの。「淡」の方を見て、「濃」の方を見てないコメントをしているということなんだと思います。

じゃあ、結果時間がかかるんだったら、早めにわかる“抗原検査”というのがあります。ここを見ていきたいと思います。

では、時間がかからない“抗原検査”はどうなのでしょう。

 

“抗原検査”というのは、ウイルスの表面のたんぱく質の断片を検出して、今感染しているかどうかを検査するというものです。

・PCR検査に比べて安価。

・早い。約30分で結果が判明する。

・ただし、PCR検査に比べると精度が劣る

 

“抗原検査”に関して厚労省は、

抗原検査で 陽性 となった場合

・抗原検査で陽性になったら追加の検査は不要。

抗原検査で 陰性  となった場合は、

 症状が出て2日目~9日目以内だったら

 (ウイルス量の関係もあって)

  陰性 と認定できる。

 

10日目以降だとウイルス量が少なくなってしまうと、陽性か陰性が出てしまうので、9日目までとしています。

ただし、一つ問題があって、無症状者には、この“抗原検査”が使用できない場合もあります。

 

いま国内でどういう状況なのか。

国内の5社のメーカーが、7つの薬事承認をこの抗原検査試薬のキットについて取っています。

検査が行われている割合は、東京都は今、抗原検査の割合は2割です。(今月1日~8日)

8割はPCR検査ということになっています。

 

現場のお医者さんの声です。都内A病院。

 抗原検査の方がPCRより精度が低いため、

 PCR検査9割、抗原検査1割

 すぐに結果が必要な場合には抗原検査を使うが

 その後PCRの検査も行っている

取り敢えずの結果を出すためには抗原検査という方針です。ということです。

日暮里病院の石山敏也医師

 抗原検査を使う医師もいます。

 基本的には症状が出て 2日以上の 

 症状がある方には まず抗原検査

 そのあとPCR検査

 PCRの結果が出るまでに症状の悪化や

 感染拡大につながるケースもあるため

 まず抗原検査です。

でも結局はPCR検査ということになります。

抗原検査は、さきほど割合の事を説明しましたが、件数は少ないということです。

これについて、厚労省の担当者は、

 PCRほ度ではないが、

 抗原検査の感度は高い

 ただ抗原検査は

  無症状者 には使えない場合もあるので

 やはりPCR検査が多い状況

 患者もPCR検査を求めていると感じている

 と言っています。

 

時間短縮のための抗原検査ですけれども、二木先生いかがでしょうか。

 

(二木先生) やはり精度に尽きますね。精度ですね。やはり厚生労働省がおっしゃるように、陽性と出たら、陽性としていいか、じつは疑問があるんです。実際にやってみると、どうも陽性と出たけれど、PCRでやってみたら「陰性だった」ということが結構あるんです。それで、じつは感染症学会でも調査しまして、少なからずそういうケーズもあると。だから、陽性が陽性だと言い切れない。それから、やはり陰性の比率はかなり高いです。特に症状がない人に抗原検査をしても、ほとんどでないんです。

ですから、結局、偽陰性率(陽性なのに陰性と出てしまう率)がかなり高いですし、今言った症状がない人にやっても、ほとんど出ないんですね。問題は、こういうことを知らずに運用しておられる先生方もいるんです。ですから、症状のない人にもやってみたりということがあるので、残念ながら日本で活用されているようなものは、どうしてもそのあとPCR検査で裏どりをしないといけないという条件になろうかと思います。抗原検査は確かに早く結果がでることがメリットなんですけれども。

 

(羽鳥アナ) 救急搬送される方に対しては、まず抗原検査っていうところだと…

 

(二木先生) そうですね。それで陰性と出たからと言って安心できないし、陽性と出て、じゃあ陽性扱いして、他の陽性の患者さんと一緒にするわけにもいかない。そうすると何の役に立つんだってところが実はあるんですね。少しずつ精度のいいものも出てきていますけど、まだまだ。ですから私は、PCRの代わりになるものは、ないと思います。

 

 

(羽鳥アナ) 皆さんのご意見とご質問を紹介したいと思います。

 

Q. ウイルスはタバコの煙に乗って、通常より遠くに届く可能性はありますか?

(大谷先生) 喫煙所で空間なので、息をある程度吐くわけですから、エアロゾルのような形で遠くに行っちゃうことはあるかなと思います。

 

Q. 二木先生にお伺いします。飲食店の感染対策として、個人を隔てるアクリル板の設置と換気を充分にしていれば、感染リスクはほぼ避けられるのではないでしょうか?

(二木先生) 確かにアクリル板と換気は大事ですね。ですけれども、それで100%というわけにはいきませんので、それに加えて距離をとる。大きな声を出さない。そういうことをプラスαしていただく事も重要ですね。

(羽鳥アナ) 感染リスクは下がるでしょうが、ゼロにはならないということを考えて、私たちも利用する時は気をつけなければいけないと思います。

 

二木先生、有難うございました。大谷先生、ありがとうございました。今日も診療頑張ってください。

(大谷先生) 貴重な時間を頂きまして有難うございました。元気を頂きましたね。ありがとうございます。