今年は最大限に要注意「インフル花粉症」

ワイドスクランブル(2019.02.07放送)をまとめてみました。

 

「インフル花粉症」 は、インフルエンザと花粉症が同時に発症、もしくは連続して発症することを言います。

医学用語ではありませんが、症状が重くなる危険性があるので、このような呼び方をしています。

 

2019年の花粉症の流行は…

開始時期は平年並みか、やや早いとみています。

実際、テレビ朝日の屋上で観測した結果去年よりも一週間早く花粉が観測されています。

また、去年は記録的な猛暑であったため、今年東日本を中心に、6年ぶりの大量飛散になるのではないかと予測されていることから、花粉症も要注意ということになるわけです。

 

乾燥した状態が続き、昨年末から現在まで、インフルエンザにかかった人が多かったこともありますが、インフルエンザの流行は3月、4月ごろまでと言われていますし、それに加えて花粉の飛散が早まるとすれば、同時に発症してもおかしくありません。

 

インフル花粉症 3つの危険” あなたの身にも…

 

危険1. 無自覚な感染拡大

     知らず知らずのうちに

 

<実例ファイル>

鼻水が止まらず、花粉症ではないかと思い、クリニックを受診。

熱を測ってもらったら37.3度あったので、念のため検査をしたらインフルエンザにかかっていたことが判明。

 

これで何が危険かと言うと、咳やくしゃみもあったので花粉症だと思い込んでしまい、くしゃみをするたびに周りにウイルスをまいている状態でした。しかし、実際はインフルエンザを発症していたので、くしゃみや咳を周りにまいてしまうことになりました。

この方は病院に来ていただけたので、すぐに対策は出来ましたが、今年は花粉症とインフルエンザを同時に発症する方が多くいらっしゃいますので、思い込まずに病院を受診して頂くことが大事かと思います。

 

自覚症状は花粉症の症状ですが、問題はインフルエンザと花粉症の症状は似ているということなんです。

鼻水、鼻づまり、のどの痛み、倦怠感、せきというのは共通しています。

ここで大事なのは、共通する症状の他に関節痛や筋肉痛があればインフルエンザ寄りですし、目のかゆみが強ければ花粉症にかたむくじゃないですか。

この方は、ご自分では花粉症が始まった!と思い、それで病院にいらっしゃいました。

「でも微熱だし、念のため検査させて下さい」と申し上げましたら、インフルエンザだったんですね。

咳やくしゃみをしていましたので、まき散らしていたと思います。

 

「まあ、来てくださったから良かったですが、来てくれなければ分からないこともありますよね。」

 

コメンテーター

「僕は花粉症あるので、花粉症のかぶるところの症状だけだったら、いつも通りと思っていたでしょうね。花粉症が長い人は、毎年どうやってケアするか決まっているんですね。使う薬も決まっているので、改めて疑いを持たないと言うか、すぐに病院へ行こうとは思わないと思います。」

 

危険2.

 健康な時はのどの繊毛が活発になっているのでウイルスを排除することはできますが、インフルエンザにかかっているときは、この繊毛は不活発な状態にあるため、花粉がどんどん入って来るようなことになってしまいます。

これはどういうことかというと、インフルエンザにかかった状態で花粉がどんどん入ってきますと、これまで花粉症はなかった方が突然、花粉症が発症するというリスクにつながってしまうことになります。

 

インフルエンザの合併症として肺炎があるじゃないですか。

花粉の前に、高齢者の方はウイルスが入ってきた時点で肺炎になっちゃうんです。

そこで命を落とす方がいらっしゃいます。

一方で花粉も入ってきちゃうんですね。そうしますと“インフル花粉症”になってしまうんです。

よくバケツに例えてお話しさせていただくのですが、バケツにいっぱいの花粉が入ってきたら花粉症が発症するのかと言ったら、そういうことではなくて、その時の抵抗力と花粉による免疫のバランスを考えたほうが分かりやすいです。

 

「やっぱり抵抗力が大事なんですね」

 

質問 

「1週間以上経っているのに良くならない、

 となった時に併発を疑ったほうがいいんですか?」

 

「おっしゃる通りで、インフルエンザでしたら、5日間から1週間で治るじゃないですか。それを超えた場合は、インフルエンザ以上のもの、インフル花粉症かもしれませんし、先ほどの肺炎かもしれませんし、他の病態を考えていく必要がございます。」

 

質問

「インフルと花粉症の両方の薬を一緒に飲んでもいいんですか?」

 

「はい、それは大丈夫です」

 

質問

「どこかで見分けるポイントは無いんですか?

インフル花粉症という言葉は分かっていても、そうかもしれないと自覚できないじゃないですか。だから、特徴とか分かれば教えて欲しいんです」

 

「よくこれは患者さんがおっしゃるんですけれども、なぜいらっしゃったのか、ということなんですね。

花粉症が始まったんですけれども、なんかいつもの年よりも辛いかも…と思って来ました。とおっしゃいます。これは教科書には書いてない事なんですけれども、これは患者さんの体験談ですね。

いつもの風邪よりもちょっと辛いかも。また、いつもの花粉症よりもちょっと辛いかも…、ですと、

花粉症よりも重いインフルエンザとか考えなくちゃいけませんから、いつもの状態とは違うというのが重要かなと思います。」

 

質問

「花粉症を持っている人はインフルエンザになりやすいって事になるのでしょうか?」

 

「花粉症の方は、鼻がつまっています。そうしますと口呼吸になっています。口の中が渇くとやはりのどの免疫が落ちますから、入りやすくなってしまうことになります。 おっしゃるとおりですね。」

 

危険3. 一番怖い合併症は…

 

<実例ファイル>

20代の学生の方

花粉症はありませんでした。どういうケースだったか、みていきましょう。

この方は、様々な症状から、もしかしたら私はインフルかなぁ?と思ったそうなんです。

そこで大谷先生のところへ行ったんですけれども、驚きの診断だったんです。

病院に行って結果、インフルエンザとそれ以外に花粉症の併発も診断されました。

この方は、自分は花粉症ではないと思っていたので、とても驚いたそです。

ちなみに、こうしたインフルエンザから花粉症にいくという流れで起こる症状は、危険2の所でみたとおりです。

これだと2つ目と同じということなんですが、3つめは何がちがうかと言いますと、

さらに合併症が出てきたということなんです。それがその後クリニックで、この方は繊毛が働かないということで花粉を一杯体の中に吸い込んでしまったことで、アレルギー性の咳喘息をさらに発症してしまったということなんです。

それによって肋骨を打撲するほどの大変な咳だったんです。

さらにこの方は20代の女性ということをご紹介いたしましたが、仮にもっと激しかったり、あるいは高齢だった場合には肋骨骨折ということにもつながっていくと…。

ですから、インフル⇒花粉⇒骨折とどんどん重なっていくというお話でした。

 

そもそもインフルエンザというのは1週間程度で治るはずですけれども、そんなインフルエンザから思わぬ顛末。

1週間で終わらない事があるかもしれないということですから、十分御注意下さい。

 

 

インフルエンザ猛威 花粉症とダブルパンチも

2019年02月06日 TOKYO MX NEWS

 全国的にインフルエンザの流行が続いていますが、今年は東京都内でインフルエンザと花粉症の時期が長い間、重なる恐れがあります。インフルエンザと花粉症の症状は似ていて、注意が必要です。

 

 インフルエンザの猛威が止まりません。2月6日に発表された最新の患者数によりますと、東京都内では1月28日から2月3日までの1週間、1医療機関当たりの患者数が45.67人となり、前週に比べると減少しました。しかし、今シーズンは2000年の統計開始以来、過去最多を記録するなど、まだまだ警戒が必要です。

 

 都内では「職場でもインフルエンザの感染者が出た。1つの現場で3人もインフルエンザにかかり、人が足りなかった」「友達がかかってしまい、センター試験が受けられず、追試になってしまった」「マスクをしているが、電車の中でマスクをしている人が集まっている所は避け、激しくせきをしている人がいたら席を移動するなど、自分で気を付けている」「風邪をひいていたので、うつさないようにしている」「高齢者なので、人混みは注意している」といった声が聞かれました。

 

 そして、インフルエンザに加え、これからの季節に対策が必要となってくるのが、人々を悩ませる「花粉症」です。街では「花粉症。例年大変」「風邪予防と花粉予防、両方を兼ねてマスクをしている。飲食店の仕事なので、人に接する機会も多い。花粉もこの時季は大変」などと話す人たちもいました。

 

 池袋大谷クリニックの大谷義夫院長は「1月末ぐらいから花粉症で悩む人の受診が増えてきた。インフルエンザと花粉症のダブルパンチになってしまうかもしれない」と警告します。

 

 都内でスギ花粉が本格的に飛び始める時期は、2月8日から11日ごろにかけてと予測されていて、過去10年の平均である「2月16日」よりも1週間ほど早まるとみられています。このため、今年はインフルエンザの流行と花粉が飛ぶ時期が長い期間、重なる恐れがあります。

 大谷院長は「鼻水が止まらず、花粉症が始まったと思って受診に来たが、チェックしたらインフルエンザだった。あるいは逆に、インフルエンザを心配して受診したら花粉症だったという人もいる」と話します。

 

 鼻づまりやだるさなど、インフルエンザと花粉症は似た症状も多く、患者が誤った対処をしてしまう恐れもあります。そして、流行時期が重なることによる影響として、大谷院長は「インフルエンザ発症後は喉の免疫である繊毛がダメージを受けるので、異物を外に出しづらくなる。花粉という異物も外に出しづらくなるかもしれず、大量の花粉を吸い込み、花粉症の症状が悪くなる可能性がある」としています。

 

 スギ花粉はこれから増え、ピークは3月上旬から4月ごろとみられていて、

インフルエンザとともに警戒が必要です。